心に剣を、です
パスカ達はテセル村に向かって出発しました。
天気も良くて、馬車や商人の人ともよくすれ違います。
草原の緑と、空の青がとてもきれいです。
道中ルカ君はなんと、妖精さんを呼びました!
小さくて、羽が生えてて可愛いです!
「パスカ、妖精さんを見たのは初めてです!
パスカもお喋りできるんですか?」
後から知ったのですが、妖精さんと話すには、ちゃんと妖精の言葉を勉強しないとダメみたいです。
むー、パスカは記憶がない分、知識もあんまりないから、これからも勉強しなきゃいけませんね。
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途中、何かを引きずったような跡と、狼の足跡を見つけましたが、
敵と会うこともなく夜になりました。
夜と言えば寝る時間です。
でも全員一緒に寝ると危ないから交代で見張りをしています。
今はパスカが見張りの番です。
「ふー、あったかいです」
たき火に手をかざしながら時々辺りをきょろきょろ見回します。
こうやって屋根のない場所で夜を迎えるのは初めてです。
明かりはたき火の炎だけ、風を防ぐモノも一切ありません。
これが消えるだけでパスカは夜の中に閉じ込められてしまいます。
「パスカは、夜があまり好きじゃありません」
「真っ暗で、何も見えません。
何も見えないととても不安で、とても怖いです」
5年より前のパスカは夜のように真っ黒く塗り潰されています。
何も思い出せません。
パスカは子供の時、どんな子だったのでしょうか?
何が好きだったのでしょうか?
誰に育てられたのでしょうか?
普通ならちゃんと覚えてるはずの事も、全然思い出せません。
「あー、早く朝にならないかなぁ・・・」
「・・・む?」
急にざらっとした嫌な感じがして、立ち上がりました。
耳を澄ませるとぐるる、と唸るような声も聞こえてきます。
これは、敵意です。
パスカ達を食べようと牙をむいているのを感じます。
「皆起きてください!敵です!敵です!」
その間に敵は目に見える位まで近づいてきました。
やっぱりお昼に足跡を見かけた狼です。
それが4匹。
パスカもあわてて剣を抜きます。
冒険者として初めての実戦、緊張しますが狼なんかには負けません!
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○PL
たいまつ一本消費します。
ダイスは相談所にありますー。
見張りのお相手はお任せします。
シリアスが来た!
3R終了時点のパスカのステータスは、
パスカ HP25/25 MP11/14 ですです。