穢れを持つ者
「おはようございます!」
「朝食の準備が出来てますよ!顔を洗ってきてください」
「初めまして。アンナさんから話は伺ってます。
僕がエランです、よろしく」
「んー。あー、おはよー。
ボクはルーフェだよ。よろしくー」
寝ぼけ眼で、クセで、シーツで胸元を隠してエランくんと握手する。
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神殿の食卓は質素ながら豊かだった。
でも、固いなこの黒パン。
「...なるほど、コボルド探しですか」
「この方たちは色々と解決策を練ってくださってるわ」
「...蛮族との調和、穢れを持つ者との調和、ですか」
穢れを持つ者か。最近の子どもは難しいことをいうんだな。ようはコボルドを殺さずに済むんなら、受け入れて欲しいだけなんだけど。
まあ、穢れって言っても、冒険者の中には蘇生して穢れを持ってる人もいるし、冒険者は蛮族と人族の中間にいるのかもしれない。そもそも、ルカ君なんてナイトメアだし。・・ナイトメア。
エランくんのバンダナに目が行く。生まれて直ぐ亡くなった母親。
そぅ・・か・・。
エランくんを真似て、黒パンを牛乳に浸す。
「生まれは、宿命かもしれないけど、責任じゃないよ。どう生きてくかだ」
あ、いや。
慌てて、ビショビショになったパンを口に放り込む。
「っま、調和っていうか。ボクらは、コボルドでも殺さずに済むなら、殺さずに済ませたいんだよ。子どももいるみたいだしね。」
神話じゃ、より強い個体を生み出すために穢れを取り込んだらしい。強さを求めて、穢れを集める蛮族もいるという話を聞いたような気もする。でも、好き好んで使い走り階級のようなコボルドに生まれたくて生まれるのもいないだろう。
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PL
ルーフェは、欧米人風に上半身ハダカで寝てったイメージで。
色気って、どうやったら出るんだろう。