行き当たりばったり
「...!!こどもも居るのですか?」
「こどもが親から引き剥がされるのは、あってよいことではありませんね...」
「私に出来ることがあれば、何でも致しましょう」
穏健派とはいえ、そんなに積極的じゃなかった彼女が、突如目を見開いたのには驚いたが、これで必ずしもコボルトを殺さずには済みそうだ。
「あ、うん。よろしくお願いするよ」
「行き当たりばったり、でいいのよね?」
「もちろんさ」
「仲良くなれそうなら仲良くなって、
仲良く出来なそうだったら、その時はその時です」
「作戦なんて、立てようがないしね」
ルカ君にバンダナを手渡すエランくん。その額には小さな角が見えていた。まだ、それでも戸惑いのような表情を見せているが、きっと彼もバンダナなど必要としなくなる日が来るだろう。
ただ、今更ながら一つ思った。
ルカ君、あの風呂敷の柄は、ない。
「それでは、行ってきます!」
パスカちゃんの元気な声とともに、ボクらは村を後にした。
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PL
ちゃんと面倒を見るんだぞ......と言われて飼った子犬を、すぐに親戚に預ける。あるある。
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