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合流

GM [2013/12/06 20:46]

疲労困憊、と言った体のカーリーとブロード老が戻ってきたのは、
深夜、月が天高く座してからであった。

「皆さん、遅くなってすみません」

会議は紛糾したらしい。
竜の対応については伯爵に委ねるしか無い所である。
しかし、この異様な状況に居合わせた当事者達の心理は別だ。

「街が竜に破壊される未来は視えていない、
 と言って何とか説き伏せてきたわい」

ブロード老がやれやれといった風情で肩を竦める。
平素は『ほら吹き』と陰口を叩かれる身ではあったが、
『星』の飛来を予見しただけに、
彼の弁舌は今回は説得力を以って受け入れられたようだ。

ぐぉぉぉぉぉ...

窓越しに竜の大鼾が聞こえる。
それに寝返りと地響きが効果音のように混ざる。
広場を中心として、少しずつ、だが確実に街は破壊されている。

「炊き出しと野営について取り決め、
 監視を強化するという事で落ち着きました」
 
元より、これ以外に出来る事は無い。
住民は竜が永遠の眠りについている事を知らない。
知ったら大暴動が巻き起こるであろう。

「で、皆さんはどうでした?成果はありましたか?」

疲労した身体を起こし、カーリーは冒険者達に報告を求めた。
冒険者達はどのように説明しただろうか。

***********************************

夜が白じみ始めた頃。
街道を砂塵を巻き上げ、エリオール目掛けて爆走する集団が現れる。

「あ、あれは!」

「伯爵だ!伯爵様がいらした!」

城壁外のキャンプを見回りしていた衛視が叫ぶ。
報告は直ぐに為され、仮眠を取っていた冒険者達は出動する事となった。

***********************************

「諸君らがオランの賢者の学院から来た研修生とその護衛か。
 こんな事態に巻き込みすまなかった。
 そして救援と事態究明に動いてくれている事、礼を言う。
 大まかな事情は其処なライスから聞いている。

 早速だが、案内してくれるか?
 現状を確認したい...カーリーよ、いいな」

「勿論ですわ、伯爵様」

ダンマルク伯爵は、到着するなり現地の視察に向かった。
騎士達には城壁外の巡視の協力と休息を命令し、
ライスと騎士団長、カーリー、ブロード老、そして冒険者達に同席を求める。

***********************************

「...これは我々が手を出しようが無い」

爆睡の限りを尽くしている老竜の姿を確認して、伯爵は断言した。

「下手に手を出して目覚めさせては不味い。
 オランへの増援依頼は予定通り出そうと思う。
 だが、それとは他に...」

伯爵は剣の柄をぐっと握り、冒険者を見やる。

「諸君らにお願いしたい事がある」

===================================

【GMより】

大変お待たせして申し訳無いです、進行しました!
とは言えこれも繋ぎですが(苦笑)

ライス合流、伯爵到着迄の場面です。
フレーバーですが、このカテゴリに投下される場合は、

○カーリーにどのように報告したか
○伯爵にどのように報告したか

を書いて頂けると嬉しいです。
この部分のフレーバー投稿は本編の進行には影響しませんが、
セッション終了時の報酬部分に反映させる予定です。

[各種判定結果]

今回は無し!

[備忘録]

○1ゾロ
 アイナティート:2回
 マーク    :1回
 ナリス    :1回
 ジュリア   :1回
○支払い
 アイナティート:60+60ガメル
 ストレイ   :100+60+50ガメル
 ミル     :50ガメル
○収入
 ミル     :120ガメル
 追加報酬   :総額3900ガメル
○消費
 ミル     :羊皮紙2枚
 ストレイ   :「仕事」用の地図
 ライス    :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
 ストレイ   :『星』の破片、森の地図、被害状況の地図、竜の鱗
 ジュリア   :竜の鱗
 アイナティート:竜の鱗

カテゴリを移動します。
「森の妖精」に記事を投下するのでお待ちください。

ストレイ [2013/12/06 21:49]

「で、皆さんはどうでした?成果はありましたか?」

「ああ、上々だぜ。
 諸事情あって細かなことは話せねぇが、
 古竜を怒らせず、目を覚まさせる方法はある。
 
 古流の今後についても、少し考えがあるしな」

問題は、妖精が蛮族の末裔の話を聞いてくれくかだがな。
というより、寧ろ今は、街の人間に真相を知られる前に、
あのデカブツを助けられるかのほうが問題か・・。
ま、成るように成るさ。
********************

「伯爵だ!伯爵様がいらした!」

 早速だが、案内してくれるか?
 現状を確認したい...カーリーよ、いいな」
「勿論ですわ、伯爵様」

「あ、そうそう忘れてたぜ」
ミル姐に貰った『表』の方の地図を取り出す。
「被災状況の図面だ。
 ま、俺たちが戻るまで、
 被害の出てる範囲には入らないことをお勧めするがね」

(「ライス。
  詳細は後で話すが、俺達はあの竜も助けたい。
  これから、そのための物を取りに行く。手伝ってくれ」)
小声でライスに耳打ちをする。

「諸君らにお願いしたい事がある」

「ん?古龍の対処ならカーリーにも頼まれてるし、OKだぜ。
 ただ、付いて来たってなら、お断りだ。
 アンタの仕事は、街の混乱を抑えることだろ?
 
 他のことなら後にしてもらえるか?
 急いで出発しねぇと、被害が広がるばっかだ。
 ま、こっちは任せてくれよ。
 カーリー。ちょっと街を離れるが、
 ことが治まったら、例の物、よろしく頼むぜ」

正直、いろいろ首を突っ込まれる前に出発してぇ。

=======================
PL 詳しくは伏せて、そそくさと出発するに一票。
   因みに、報酬の希望は、最高品質バスタードソードです。

アイナティート [2013/12/07 15:39]
「で、皆さんはどうでした?成果はありましたか?」
 疲れ果てた様子で戻ってきた導師に尋ねられる。うむ、もちろんだ。
「ああ、上々だぜ。
 諸事情あって細かなことは話せねぇが、
 古竜を怒らせず、目を覚まさせる方法はある。
 
 古竜の今後についても、少し考えがあるしな」
「うむ......はい。勿論です。
 ストレイが言ったように、古竜の起こし方は推測がついている......ます。
 それと、あのドラゴンは古いだけあって結構伝承に残っているようです。性格なんかもある程度推察可能だろ、でしょう」

 敬語嫌い。耳が下がるくらい嫌い。
 そう思いつつも、ドラゴンの情報......まあ、目覚めないなどの重要情報は他に任せるとして、おもに温厚な性格だろうとか泣き虫なのだろうとか、そういうことを伝えた。



△▼△▼△▼△▼△▼




「...これは我々が手を出しようが無い」
 ライスの報告を受けてやってきたと思しき伯爵は、老竜の様子を確認して言い切った。
「下手に手を出して目覚めさせては不味い。
 オランへの増援依頼は予定通り出そうと思う。
 だが、それとは他に...」
「諸君らにお願いしたい事がある」
「私はあまり大した事はできないが、可能なことなら聞かないでもないぞ。
 貴方も当然理解しているようだが、あの竜を叩きのめすなんて話でもなさそうだしな。
 ......まあ、出来れば手短に頼みたい」


========================================
PL:配管

まずはこっち。森の方も後ほど......
基本的にはストレイ同様ちゃっちゃと行こうぜ、みたいな。
報酬の希望......どうやって入手するかわからないから指輪型の発動体とか欲しいけど、伝えるタイミングががが
いきなり報酬を要求するのもどうかと思うしなあ

ナリス [2013/12/07 22:28]
「で、皆さんはどうでした?成果はありましたか?」

「ばっちり!ま、とはいって俺はもあんまり役に立ってないけどねー」

にへらと笑みを浮かべた。俺ちゃんてば剣が振れる状況じゃないとあんまり力が発揮できんのかもしれない。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「...これは我々が手を出しようが無い」

 ライスの報告を受けてやってきたと思しき伯爵は、老竜の様子を確認して言い切った。

「下手に手を出して目覚めさせては不味い。
 オランへの増援依頼は予定通り出そうと思う。
 だが、それとは他に...」
「諸君らにお願いしたい事がある」

「うん?・・・まぁ俺ちゃんの剣が役立つ状況ではないと思いますけど・・・」

首をかしげた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とりあえず合流に投稿

ミル [2013/12/08 12:11]

 

 「ドラゴンの鱗をはいで行くのは、私は反対だな。人間になぞらえてみると、『その爪綺麗だから一枚ちょうだい』と、同じ感覚らしいぞ。
 ドラゴンは起きないだろうが、目を覚ました後がかわいそうだろう?
 残酷なことをする、と、妖精の信頼も、逆に損なうかもしれない。

ジュリアにそう言われると、そうかなって気もしてくる
爪はぐのはいややなあ......

「んじゃま、行きがけに、落ちてる鱗のかけらでも拾ってくことにするよ
 クリエイト・イメージはええ案やね
 こんだけ魔術師がおるんやさかい、みんなで次々やれば、どれかがええ出来になるやろし」

けど、鱗はやっぱ欲しいな
落下地点に何枚かないかな
記念品記念品

 「皆、この話なんだが結構面白いぞ。 奇妙なほどに諸々の情報と符合する。あの蜥蜴の名前がビューイなのかもしれない、というほどにな。  ......何かに使えないか?」

アイナが見つけ当てた文献には、あのドラゴンはんのこととおぼしき事柄が記載されてた
曰く、泣き虫ビューイ

「泣き虫、ねえ......」

かわええなあ
目ぇさましたら、やっぱお話してみたいな

 「で、皆さんはどうでした?成果はありましたか?」

鳴り響くドラゴンはんのいびきの下、カーリーはんが身体を起こす
疲れてはる疲れてはる
無理もないか

 「うむ......はい。勿論です。  ストレイが言ったように、古竜の起こし方は推測がついている......ます。  それと、あのドラゴンは古いだけあって結構伝承に残っているようです。性格なんかもある程度推察可能だろ、でしょう」

  アイナがたどたどしい敬語でカーリーはんに説明する
つまるところ、場所さえ移動したらええのやから、どっか安住の地を捜さへんとなあ
あるいは、12匹のニジマスと妖精のとこいくのがええかもな
アイナのたぐり寄せたドラゴンはんの性格考えたら、友だち多い方がええもん
 
 結局明け方まで調査とかしてたら、伯爵さまがででんと現れはった

「諸君らがオランの賢者の学院から来た研修生とその護衛か。
 こんな事態に巻き込みすまなかった。
 そして救援と事態究明に動いてくれている事、礼を言う。
 大まかな事情は其処なライスから聞いている。

 早速だが、案内してくれるか?
 現状を確認したい...カーリーよ、いいな」

現状案内って......あの異臭の中に飛び込むってか
んで、つぶさに見て、どう思ったか

 「諸君らにお願いしたい事がある」

伯爵はんの口調が少し変わる
む、ここは、推しどころか?

「ダンマルク伯、ご足労恐縮です
 件のドラゴンに関しましては、目処がつきました
 あれを去らしむる手法につきまして、調査が終わったところです

 ただし、森の危険域に入る必要があります
 既に、我々の前に行方不明者も出ている模様
 つきましては、恐れ多いこと甚だしくは存じ上げますが、報酬をいただけましたら幸いです

 特に、我々魔術師には研修という目的があり、また、学院の生徒としての義務もありますが、護衛二人にとっては予定外の危険になります
 伯爵様の義侠心によって、彼らには格別、報酬を賜りたく愚行仕ります」

ナリスとストレイは員数外
学院への義理もない
雇い主はオランの学院や

であれば、学院としても伯爵としても、増額してくれるかもしれへん
 
 
ウチはみんながそれぞれに情報を伝えた後で、こっそりカーリーはんを呼び寄せた

「カーリーはん、ウチらが戻ってくる頃合い見計ろうて、この書き留めの流布、準備しててくれはりますか?

ウチは、考えていた文面をさらさらと書き記し、カーリーはんに渡した

『12匹のニジマス、その先に
 妖精達が遊ぶ池がある

 星が墜ち、さすらいびとがやってきて、妖精達は一対の針を持ってくる
 かくて金色の針は最後の力を使いて星を目覚めさせ、役目を終えて消え去った 
 12匹のニジマスと妖精達の側に、もう針はない
 葉は青く茂り、清流は流れ、妖精達とニジマスは星との思い出に花を咲かせ、永久の平穏にまた、遊ぶ』

小さい音でミニギターで古めの旋律で伴奏をつける

......弦とんだ

ん......まあ、ええねん、音の出来なんて
うまい吟遊詩人に歌わせたらええねん

「これに、いくらかの枝はとバリエーションをつけて中長期的に、浸透させてください
 吟遊詩人に、私たちによる今回の冒険譚とまぜて流してくれてもかまいません
 ウチらが戻らへんでも、そうしてください」

ウチらが帰らへんやったら、伯爵様が出張ることになるんやろうけど、なるべく妖精界には立ち入って欲しうない

秘密は知る人間が少ないほどええ
カーリーはんにも、それはわかるはずや

「実は既に三人、金目の話とかぎつけて、盗賊ギルドのメンバーが先行しとります
 今後も後に続くもんがあれへんとも限らへんし、金色の葉とか、金色の針の話はスルーして、ただのおとぎ話にしといてくれはったら、ついでに結末で金目のものが消えとったら穏便に済む思います」
 
 
  
「さて、ライスも戻ったことやし、出発しよかー」

ウチはギターをしょいこんで、初陣となるヘビーフレイルに布をかぶせた
---------------------------------------------------------

いあ@ミル : 2D6 → 4 + 4 + (4) = 12 (12/08-11:06:30)

本文中にある詩を、いくらかばらつきのあるバリエーションで、年単位でこの街に浸透させることをカーリーさんに提案します

いあ@ミル : 2D6 → 1 + 3 + (3) = 7 (12/08-11:08:59)

音も付けましたが......ミル、相変わらずライブ弱いなあ......

武装は、剣とメイジスタッフはおいていきます
代わりに、ヘビーフレイルに布をかぶせ、メイジスタッフに偽装します

いあ@ミル : ヘビーフレイルに偽装 2D6 → 3 + 4 + (5) = 12 (12/08-11:20:46)

まあ、手ぶらに見えたらいいなあ、と

偽装によるヘビーフレイルへのマイナス修正をお願いします

あと、ミルも落ちてた鱗とっときますね
ピクシーに見せるかはともかく、なんかのアクセにしようかと
大きさってぐんくらいでしょうか?

以下、予備ダイスです
いあ@ミル : 2D6 → 6 + 2 = 8 (12/08-11:22:13)
いあ@ミル : 2D6 → 4 + 4 = 8 (12/08-11:22:26)
いあ@ミル : 予備ダイス3 2D6 → 6 + 1 = 7 (12/08-11:22:39)

ジュリア [2013/12/08 20:58]

>「皆さん、遅くなってすみません」


「お疲れさま。」


あの若さで長だ。
すんなり物事が進まないこともあるだろう。
あのブロードという老人の存在が物を言ったのは想像に容易い。


>「で、皆さんはどうでした?成果はありましたか?」
>「ああ、上々だぜ。
> 諸事情あって細かなことは話せねぇが、
> 古竜を怒らせず、目を覚まさせる方法はある。
 
> 古流の今後についても、少し考えがあるしな」
>「うむ......はい。勿論です。
> ストレイが言ったように、古竜の起こし方は推測がついている......ます。
> それと、あのドラゴンは古いだけあって結構伝承に残っているようです。性格なんかもある程度推察可能だろ、でしょう」
>「ばっちり!ま、とはいって俺はもあんまり役に立ってないけどねー」


「我らがオラン、賢者の学院の生徒とその仲間は優秀な者揃いだぞ。」


そう言って片目を瞑ってみせる。


「もちろん、カーリー、貴女の生徒も良くできていた。
 私の出る幕などなかったよ。」


肩をすくめ、おどけてそう答えたが、本当のところだ。
私もまだまだだな。


※※※


そして伯爵が登場した。


>「...これは我々が手を出しようが無い」
>「諸君らにお願いしたい事がある」
>「ん?古龍の対処ならカーリーにも頼まれてるし、OKだぜ。
> ただ、付いて来たってなら、お断りだ。
> アンタの仕事は、街の混乱を抑えることだろ?
 
> 他のことなら後にしてもらえるか?
> 急いで出発しねぇと、被害が広がるばっかだ。
> ま、こっちは任せてくれよ。
> カーリー。ちょっと街を離れるが、
> ことが治まったら、例の物、よろしく頼むぜ」
>「私はあまり大した事はできないが、可能なことなら聞かないでもないぞ。
> 貴方も当然理解しているようだが、あの竜を叩きのめすなんて話でもなさそうだしな。
> ......まあ、出来れば手短に頼みたい」
>「うん?・・・まぁ俺ちゃんの剣が役立つ状況ではないと思いますけど・・・」
>「ダンマルク伯、ご足労恐縮です
> 件のドラゴンに関しましては、目処がつきました
> あれを去らしむる手法につきまして、調査が終わったところです
> ただし、森の危険域に入る必要があります
> 既に、我々の前に行方不明者も出ている模様
> つきましては、恐れ多いこと甚だしくは存じ上げますが、報酬をいただけましたら幸いです
> 特に、我々魔術師には研修という目的があり、また、学院の生徒としての義務もありますが、護衛二人にとっては予定外の危険になります
> 伯爵様の義侠心によって、彼らには格別、報酬を賜りたく愚行仕ります」


「私からも頼む。
 今回の一件は予想外の事件だ。
 賢者の学院の者にとっては研修だ、これ自体が大きな報酬となる。
 だが、護衛の二人は別だ。
 伯爵のその頼みとやらは、正式な依頼と受け取らせてもらう。」


最後に一応、頭を下げた。


***


ジュリ@PL;


>この部分のフレーバー投稿は本編の進行には影響しませんが、
>セッション終了時の報酬部分に反映させる予定です。


そういう博打的なことはあまり好きじゃないので、正直、書くのが辛かったです(^_^;)
でも、進行に貢献した者の取り分が大きいのは当然のことよね。
出遅れてしまったし、同じ内容を繰り返すのもアレなのであの程度のことしか言えませんでした。
貢献度ゼロ!


そして、平賀さんの案に異議なしです。

マーク [2013/12/08 21:59]

>「そうだ!思い出したぞ。なんか蛮族にも優しくしてたら
> 真っ先に滅ぼされた、みたいな連中だったはずだ。
> ......あー、と。ルミナス家の話だぞ。で、だ。
> 確か件のルミナス家は付与術の家系だったはずだし、何かしら関係はあるのではないか?」

「へぇ。そんなのもいたんだな、あの時代に。まぁ、人の個を考えればいる方が自然か。」

今の時代だとどの程度の異端児扱いになるだろう。
ゴブリンとも仲良くしようって言うレベル?・・・流石に言い過ぎかな。

※※※※※

>「皆、この話なんだが結構面白いぞ。
> 奇妙なほどに諸々の情報と符合する。
> あの蜥蜴の名前がビューイなのかもしれない、というほどにな。
> ......何かに使えないか?」

「・・・確かにそれっぽい。だとすると。
 何か、想像以上に温厚な竜なのかもしれないなぁ。
 少年向けに多少は脚色が入ってるんだろうけど。」

この竜の友になった男ってのはルミナスの事だろうか。
あるいは名前がわからないもう一人(俺がハドアと間違えた魔術師)か。
孤島・・・これは星界の星を暗喩した?

「竜と会話に持ち込めれば穏便に解決出来ると主張する時にも説得力が出るな。」

さて、カーリー師達はまだ帰ってこないのか。揉めてんのかね。
そろそろ仮眠も取っておかないと明日に響く。寝るか。

※※※※※

>「皆さん、遅くなってすみません」

「いえいえ。お疲れ様です。」

やっぱ揉めたなこりゃ。

>「街が竜に破壊される未来は視えていない、
> と言って何とか説き伏せてきたわい」
>「炊き出しと野営について取り決め、
> 監視を強化するという事で落ち着きました」

「それは何より。過激な主張をする連中はどの程度いました?」

あまり多いようだと今晩からして要警戒となるが。
そう多くないなら伯爵が着くまでは保つかな。
伯爵が着けばその伯爵を説得すればOKだ。

>「で、皆さんはどうでした?成果はありましたか?」

「思っていたより色々と。」

これと決めて探せば見つかるもんだ。

※※※※※

>「ああ、上々だぜ。
> 諸事情あって細かなことは話せねぇが、
> 古竜を怒らせず、目を覚まさせる方法はある。
> 古流の今後についても、少し考えがあるしな」
>「うむ......はい。勿論です。
> ストレイが言ったように、古竜の起こし方は推測がついている......ます。
> それと、あのドラゴンは古いだけあって結構伝承に残っているようです。
> 性格なんかもある程度推察可能だろ、でしょう」

「この竜とは会話によって穏便に事が解決できる可能性が高いようです。
 落ち着きのない連中にはその旨、補足して宥めてやってください。」

ふむ、この二人は詳細までは話さないつもりか。
いや、そもそもそこの線引を細かく協議してなかったしな。
その辺抜きに下手に伝えるのもどうかと思っての事かね。
話す相手を選んだ方がいいってのは大いに同意するとこだけど。

「とは言え。会話するためには竜を"穏便な"方法で起こさなくてはなりません。
 その為には12匹のニジマスへ赴いて妖精と交渉をする必要があります。」

俺達が行くとなると出発は明日にでも、かな。ライスは間に合うかねぇ。
・・・ちなみに。俺は現在、池に行く気満々だが。
敢えてここで行きますと率先して言うのは避ける。
伯爵辺りに依頼されて行く形がベストだものねぇ。

「・・・と、まぁ。色々と省略した要約だとこうなるわけですが。」

一度、他の面子を見渡し。

「・・・細々とした詳細はちょっと長くて複雑になります。
 レポートにでも纏めようかと思うので一先ず今日はお休みください。
 そちらもお疲れでしょうし、きっと明日も多忙になる・・・でしょう?」

レポートの内容は皆と相談して吟味しようかね。

※※※※※

「俺としてはまず、カーリー師には全部話してもいいと思ってるんだ。」

と、切り出す。

「ここまでの師の言動や行動を見るに、何かがハズれた人には見えんし。
 今回、俺達が見つけた情報の重要性、危険性もきちんと正しく理解出来る人だと思う。
 少なくとも俺達と同レベルには、ね。
 ・・・あと師はここの蔵書を自由に閲覧できるし、嘘感知の魔法も使える。
 下手に隠しても自力で見つけちゃうんだよねー。」

情報全開示に躊躇う一番の原因は・・・

「この竜は決して目覚めないって情報が一番ヤバイってのは同意だ。
 でも、これもあくまでこの魔術師がそう書いてあるだけなわけで。
 確実な保証はされてない。実際にやったらどうなるか。
 だから提出するレポートにもこう、そういう危険性もあるよって付け足してだな。」

羊皮紙にレポートの下書きをガリガリと書いたり足したり引いたり。

「そう言えば伯爵へどこまで伝えるかはどーすっか。
 その辺の判断をカーリー師に丸投げってのもアレか?
 森の妖精や竜との交渉に際しては
 伯爵に許可がいる事項も出てくるかもだからなぁ。」

俺達は、明日にも出立するが伯爵はカーリー師に詳細な説明を求めるだろう。
カーリー師なら伯爵の人となりについては知ってるだろうから
どこまで話すかの判断も的確に出来るだろうとは思うが・・・

「伯爵なら森への不可侵とか外敵駆除とかそういうレベルでの約束も出来るからね。
 森の妖精に提示できる手土産としてはそこそこなものになると思うんだけど。」

竜の預け先を妖精達の元にしてはどうかと言う意見も出た。
これは正直、かなり妙手なんじゃなかろーか。

「妖精と竜はどっちもルミナスに縁があるし上手くやれるかも。
 伯爵からの約束事を竜を媒介して妖精側へ正式に伝えられるし。」

えーっと。他には?

「星界にまだ色々と浮かんでる件については・・・どーする?
 まーた落ちてきた時に素早く対処できるのは領内で実権を持つ伯爵だ。
 信用できる人ならこの件も伝えて魔術師ギルドと連携を取るように
 言っといた方が何かと面倒ないんだけど。」

まだ、直接会ったわけじゃないからイマイチその辺の判断がなー。
衛視とかの様子を見るに期待出来るんだけど。
・・・ライスが間に合ったら聞いてみるか。

※※※※※

>「伯爵だ!伯爵様がいらした!」

ありゃ。もう来たのか。
ライスの説得も功を奏したんだろうけど、それにしたって早い。

「トップが迅速に動けるってのはいい事だ。」

今回は特に。

※※※※※

「やー、ライス。いつの間にか伯爵のトコに行ってるとは驚いたよ。
 でもおかげで色々とスムーズに事が運びそうだ。」

伯爵がいる現状、どこぞが暴走する危険は減っただろう。
・・・今のうちは。

「で、早速なんだが。ライスから見てあの伯爵、どうだ?
 信用出来るかとか、聡明か、とかそういう意味で。」

小声でボソボソ。

※※※※※

「見ての通り、寝ながらの状態にしてこの有り様です。
 もしこの竜が目覚め、我々に敵意を持てばどうなるかは想像に難くないかと。」

まずは竜に手出しを出すのは得策ではない事。

「幸い、この竜は温厚な性格で会話による交渉が
 可能である事が調査の結果、わかっています。」

話せば分かる相手だという事。
まず、この2点は強調しとこうか。
あとは・・・

PLより----------------------------------------------

あー、酷い目にあったぜぃ。
ちょっといつもより読み込みが足りないかも。
齟齬があったらツッコミをば。

まずはこっちを投下します。

・カーリーへの報告
私は全部、ぶちまけていいんじゃないかなーと思ってます。
情報の中で取り扱い危険なのは以下の二点でしょうか。

1.竜は針がないと目覚めない
2.星界にまだ色々浮いてる

1は本文にもある通り、書いてるだけで保証はないわけです。
なのでそこを強調して伝えるくらいはしとく感じで。
もちろん伝えるのはカーリーのみで。伯爵にもこれは伏せていいでしょう。
2は知っておいて貰わないとまた落ちてきた時の対処が遅れる方が
危ないんじゃないかーと思う次第。

・伯爵への報告
どの程度まで報告するかはPCより付き合いが長いカーリーに
丸投げってのも一手かな、と思いつつ。
池への出発前に森に対するアレコレについて言質取れれば
妖精との交渉に有利かな―とも。
前述した通り、針がないと竜が絶対目覚めないっぽい事は伏せちゃいましょう。

とりあえずもっと意見、集約した方がいいんでないかと思ったので
こういう形での投下にしました。
皆であーだこーだ言いながらレポート書きましょうぜ。

ライス [2013/12/08 22:49]

「それに移動は結構疲れるものだ。
 いざ現地へ到着したら眠くて動けない、となっては困るな。
 その辺りは自分の体力と相談するがいい。
 自分の能力を見極めるのも、官吏に必要な度量よ」

「お気遣い感謝します。身体を動かすのはそこまで得意ではないですが、古の文書等の読解は、父から散々鍛えられましたので、このくらいなら大丈夫です。」

「どうかな、成果はあったかな?」

「申し訳ありませんが、ご期待にこたえることはできなさそうです。でも、ジュリア師をはじめとする方々は、私とは異なり伯爵の期待にこたえることができるかと存じます。」

「諸君らがオランの賢者の学院から来た研修生とその護衛か。  こんな事態に巻き込みすまなかった。  そして救援と事態究明に動いてくれている事、礼を言う。  大まかな事情は其処なライスから聞いている。

 早速だが、案内してくれるか?  現状を確認したい...カーリーよ、いいな」

「勿論ですわ、伯爵様」

「カーリー導師でいらっしゃいますか。オランの学院に所属するライスと申します。今後ともお見知りおきを」

簡単に自己紹介を。

(「ライス。
  詳細は後で話すが、俺達はあの竜も助けたい。
  これから、そのための物を取りに行く。手伝ってくれ」)

「了解です。そのように仰るということは、何かいい手掛かりが見つかったのですね。期待しています。ストレイさん。」

囁きかけてきたストレイに笑みを浮かべて返します。
 
  

「さて、ライスも戻ったことやし、出発しよかー」

「お待たせしました。善は急げと言います。ストレイさんによるといい情報もあったようですので、急ぎましょう。」

「やー、ライス。いつの間にか伯爵のトコに行ってるとは驚いたよ。 でもおかげで色々とスムーズに事が運びそうだ。」

「マークさんもお疲れ様です。あと、お気遣いいただき、ありがとうございます。自分にできることをしただけです。でも、小耳にはさんだ感じででは。ある程度解決の目星をつけられているらしいですね。皆さん、さすが場数を踏まれている方々ですね。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

PL:皆さんお疲れ様です。

さしあたり合流だけをしておきます。

あと、これでお互いの情報交換をしたといういことで、

皆さんの情報ももらったということにさせて頂きます。こちらからは

『この地はルミナス家という魔法王国の時代にあって珍しい、
 大地母神を信仰する一族によって治められていた。
 末期の混乱の中で一族は滅亡したが、被支配者への寛大な処遇と治世は、
 倣うべきものである...』くらいしか情報はありませんが・・・。

なお、

○カーリーにどのように報告したか

○伯爵にどのように報告したか

を書いて頂けると嬉しいです。 この部分のフレーバー投稿は本編の進行には影響しませんが、 セッション終了時の報酬部分に反映させる予定です。

この2点につきましては、ライスはなかなかこの時点では報告を出来る立場にないので、遠慮させて頂きます。当然、追加報酬等も不要です。

?

マーク [2013/12/13 05:52]

「・・・こんなとこかな?」

やーれやれとペンを置いて伸びをする。
流石にもう寝ないと明日に障るな。

※※※※※

賢者の学院エリオール支部長 カーリー・ジャプセン導師へ

・事の経緯と解決の見通し
事は古代王国カストゥールの時代。
当時、この地を治めていたルミナス家に端を発する。
この家系の最も特筆すべき点は、大地母神を信仰していた事。
これに伴い魔術師以外の者に対しても寛容だったとされている。
当時、蛮族と呼ばれていた我々の祖や妖精、幻獣。
そして竜もその対象となっていた。
竜が魔術師の狩りによって命を落とす事を良しとしなかったルミナスは
友人と協力して竜を星界へと退避させると言う行動に出たのだ。
恐らく優れた付与魔術師だっただろう彼(または彼女)は
それを実現する為に二つの魔法具を創り出している。
一つは刺した対象に永遠の眠りを与える針。
一つは刺した対象を永遠の眠りから開放する針。
(※これは【12匹のニジマス】の一節を引用したものだが、
  眠りが永遠である事を証明する記述は見つかっていない。)
これによって竜を眠らせ、星で包んで星界へ封印する事を可能とした。
ただし、この封印の技術は未完成であったらしく
此度、星がこの地へ落下したのはそれが要因と見れる。

このルミナスと『針』は【12匹のニジマス】に登場するそれと
相違ないと見てまず間違いないと言える。
これにより、現在『針』は12匹のニジマスと呼ばれる池の向こう。
即ち妖精界にて管理されていると推測される。
妖精はルミナスと盟友であり、竜の目覚めはルミナスの望みである為
交渉の余地は十分あると思われる。

なお、件の竜は当時からあの外見であり、
温厚で穏やかであると言う記録が残っている。
交渉する事が出来れば穏便に事態を解決出来る可能性は高いと考えられる。
竜の移転先は森の妖精達の元が第一の候補地として挙げられる。


・まだ星界に残る星
ルミナスは竜の他にも様々なものを星界へと封印したとの記述も
併せて発見されている。幻獣の他に魔法具も含まれるとの事。
当時の魔術師をして封印を考えさせる点を鑑みるに、
非常に危険、または倫理的に問題な代物である可能性が高い。

また、此度ルミナスが治めていた土地に星が落ちてきたのも偶然とは考え難く。
この地に落星が再発する恐れあり。
再び街に落ちる可能性はかなり低いと思われるが、
その星が件の魔法具を内包していた場合は可及的速やかに
これを回収するのが望ましい。
その為にもこの地の領主である伯爵との連携が重要であると考える次第。


・情報の取り扱いについて
1.いかなる攻撃を行っても竜が目覚めない可能性がある事
2.いかなる者も永遠に眠らせる可能性がある魔法具が存在する事
3.星界に危険な魔法具を内包した星があり、それがこの地へ落ちてくるかもしれない事

上記3点は取り扱いに注意を払うべきと進言する次第。
特に先に述べた2点は伯爵にも内密にすべきかと。

まず1。これは前述した通り、実際に攻撃を行って
竜が目覚めないとされる保証は書物の上のそれでしかない。
無用な混乱とリスクを避ける為にも
我々とカーリー師の胸の内にのみ残すべき案件と考える。

その2。この魔法具の存在が広く知られた場合、
それを手に入れようとする輩が出てくる可能性は高いと思われる。
これによって森が、強いてはこの地方が混乱に陥る危険を内包する。
また、万一それが奪われた場合はどのような悪事に使われるかわからない。
よってこの魔法具の情報を一級危険物指定として取り扱う事を具申する次第。
2本の『針』のうち、永遠の眠りを与える針の存在については
完全に秘匿、または既に失われたものとして取り扱うべきか。

最後の3。これも広く知られた場合はその魔法具を求める輩が
発生するであろうと思われる。
場合によっては『針』以上に危険かもしれないそれを
危険人物の手に渡さない為にも情報は規制されるべき。
これは学院側で回収して管理、または処分するのが最も安全である。
その為、迅速な回収を行うにあたって領主たる伯爵の協力がある事が望ましい。
また、星界に封印された魔法具について調査する際は
使う人間に細心の注意を払うべし。我々は聖人に非ず。

※※※※※

「と・・・以上、報告のレポートとなります。」

あー、なんかもーこれで一仕事終えたって感じだ。
実のとこ本番はここからなんだが。

「まぁ、なんです。私達の提案通りにしますと
 伯爵には事実ではない内容を報告する事になりますが・・・」

貴族に虚言か。バレたらタダじゃすまんかもな。

「より大きな危険を避ける為にも致し方ない事かと。」

生憎、俺は敬虔なる神の信徒でもないしねぇ。

※※※※※

「そういうわけで、伯爵。かの森を明確に不可侵地域として
 指定されるのが良いかと考える次第なのです。
 もっと突っ込んだ約定でも良いかもしれません。」

妖精の価値観って俺の領分からは遠そうだよなぁ。
何を手土産にすれば喜ぶのやら。

「まず、領民の安全があります。既に行方不明者が出ているわけで。
 何らかの対策は必要かと。」

この人、そういうのには熱心そうだし。

「また、彼ら妖精と敵対して良い事などありません。
 中には森を迷宮化させる程のものもいる事がわかっておりますし。
 そもそも妖精と敵対すると言うのはどうにも外聞が悪いではありませんか。」

イメージ的にねぇ。

「証明者は目覚めた竜になって貰いましょう。
 竜の仲介の下で妖精と約定を結ぶ。まるで神話の英雄のような話ですよ。」

如何でしょーか。

PLより----------------------------------------------

こんな感じに。
伯爵さんの性格をちゃんと掴めてるかどーか。

GM [2013/12/13 21:28]

「それは何より。過激な主張をする連中はどの程度いました?」

マークの問いにカーリーは答える。

「多数ではありませんがそれなりの人数が居ました。
 伯爵がいらっしゃれば状況はよくなる、
 と詭弁じみた物言いをせざるを得ませんでしたわ」

恐慌状態に陥った群集の心理は理屈では図れない。
伯爵を希望として目先の不安を逸らした形だ。
過激な主張は街の富裕層を中心に叫ばれたらしい。

***********************************

「ばっちり!ま、とはいって俺はもあんまり役に立ってないけどねー」

ナリスはこう言うが、学問も一通り修めた貴族である。
彼の見識が劣っている訳では無い。周りが凄過ぎたのだ。

「我らがオラン、賢者の学院の生徒とその仲間は優秀な者揃いだぞ。」

「もちろん、カーリー、貴女の生徒も良くできていた。
 私の出る幕などなかったよ。」

「ジュリア導師はご謙遜でいらっしゃいますわね」

ジュリアの物言いに、カーリーは微笑んでこう返した。
一方、マークはアイナティートと共に具体的な報告を行っていく。

「・・・と、まぁ。色々と省略した要約だとこうなるわけですが。」

「・・・細々とした詳細はちょっと長くて複雑になります。
 レポートにでも纏めようかと思うので一先ず今日はお休みください。
 そちらもお疲れでしょうし、きっと明日も多忙になる・・・でしょう?」

マークの言い分は尤もだった。

「なるほど。皆さんのお陰で、かなりの事が把握出来ました。
 深く感謝しますわ」

カーリーは唸った。
そうであろう、半ば死蔵されていた書物を紐解き、これだけ真相に迫ったのだ。

***********************************

「と・・・以上、報告のレポートとなります。」

早朝、伯爵に呼ばれる前の僅かな時間。
マークは必死に纏め上げた報告書をカーリーに提出する。

「まぁ、なんです。私達の提案通りにしますと
 伯爵には事実ではない内容を報告する事になりますが・・・」

「より大きな危険を避ける為にも致し方ない事かと。」

「貴方の仰りたい事は、よく分かります」

カーリーは頷く。

「私はダンマルク伯爵領の宮廷魔術師ですが、
 同時に賢者の学院の一員でもあります。
 結果としてオランの国益と平和に沿うのであれば、同意致しますわ。
 この件については、私の権限に於いて、情報の管理を認めましょう」

***********************************

「あ、そうそう忘れてたぜ」

ストレイは伯爵に持っていた羊皮紙を取り出す。

「被災状況の図面だ。
 ま、俺たちが戻るまで、
 被害の出てる範囲には入らないことをお勧めするがね」

ストレイから地図を受け取った伯爵は、
しばし地図を凝視すると傍らに控えていた侍従の1人に手渡した。

「有難く、預からせて頂こう...
 騎士団にこの地図を渡せ。活用して復興に従事せよ」

「はっ」

足早に侍従は場を去って行った。

「ん?古龍の対処ならカーリーにも頼まれてるし、OKだぜ。
 ただ、付いて来たいってなら、お断りだ。
 アンタの仕事は、街の混乱を抑えることだろ?
 
 他のことなら後にしてもらえるか?
 急いで出発しねぇと、被害が広がるばっかだ。
 ま、こっちは任せてくれよ。
 カーリー。ちょっと街を離れるが、
 ことが治まったら、例の物、よろしく頼むぜ」

「私はあまり大した事はできないが、可能なことなら聞かないでもないぞ。
 貴方も当然理解しているようだが、あの竜を叩きのめすなんて話でもなさそうだしな。
 ......まあ、出来れば手短に頼みたい」

「うん?・・・まぁ俺ちゃんの剣が役立つ状況ではないと思いますけど・・・」

「何と横柄な物言いをする者達よ」

伯爵は苦笑いを浮かべる。

「だが、その意気や良し。私も森に行きたい訳では無い。
 今正に、これからお前達がやろうとしている事を、
 依頼しようとしていたのだ」

竜を穏便にこの街から去らせる事。
伯爵は正式にその事を依頼しようとしていたのだ。

「ダンマルク伯、ご足労恐縮です
 件のドラゴンに関しましては、目処がつきました
 あれを去らしむる手法につきまして、調査が終わったところです

 ただし、森の危険域に入る必要があります
 既に、我々の前に行方不明者も出ている模様
 つきましては、恐れ多いこと甚だしくは存じ上げますが、
 報酬をいただけましたら幸いです

 特に、我々魔術師には研修という目的があり、
 また、学院の生徒としての義務もありますが、
 護衛二人にとっては予定外の危険になります
 伯爵様の義侠心によって、彼らには格別、報酬を賜りたく愚行仕ります」

ミルは使い慣れない敬語で、折り目正しく伯爵に奏上する。

「ミルと言ったか。お前の主張、尤もな事である。
 この件はこのアウグスト・ダンマルクからの依頼として、
 正式に報酬を支払う。安心するがよい」

伯爵はミルに大きく頷いた。

「私からも頼む。
 今回の一件は予想外の事件だ。
 賢者の学院の者にとっては研修だ、これ自体が大きな報酬となる。
 だが、護衛の二人は別だ。
 伯爵のその頼みとやらは、正式な依頼と受け取らせてもらう。」

ジュリアの言い方はやや無礼であったが、伯爵は不快には思っていないようだ。

「そう受け取って貰って結構。ジュリア導師」

***********************************

「カーリーはん、ウチらが戻ってくる頃合い見計ろうて、
 この書き留めの流布、準備しててくれはりますか?

ミルはカーリーにこっそりと話をする。

『12匹のニジマス、その先に
 妖精達が遊ぶ池がある

 星が墜ち、さすらいびとがやってきて、妖精達は一対の針を持ってくる
 かくて金色の針は最後の力を使いて星を目覚めさせ、役目を終えて消え去った 
 12匹のニジマスと妖精達の側に、もう針はない
 葉は青く茂り、清流は流れ、妖精達とニジマスは星との思い出に花を咲かせ、
 永久の平穏にまた、遊ぶ』

ミルはそれなりの演奏と、十人並みの歌唱力でカーリーに聴かせる。
それは、かなりの脚色を付け加えた伝承であった。

「これに、いくらかの枝はとバリエーションをつけて中長期的に、浸透させてください
 吟遊詩人に、私たちによる今回の冒険譚とまぜて流してくれてもかまいません
 ウチらが戻らへんでも、そうしてください」

「実は既に三人、金目の話とかぎつけて、盗賊ギルドのメンバーが先行しとります
 今後も後に続くもんがあれへんとも限らへんし、金色の葉とか、
 金色の針の話はスルーして、ただのおとぎ話にしといてくれはったら、
 ついでに結末で金目のものが消えとったら穏便に済む思います」

「なるほど、モフェット正魔術師の言わんとする事が分かりましたわ」

カーリーは快くミルの提案を承諾した。

「意図的に【枯れた】事にして人々の関心を失わせようというのですね。
 そうして、魔法具を守ろうと」

*********************************** 

一方、マークは伯爵に具申を始める。

「見ての通り、寝ながらの状態にしてこの有り様です。
 もしこの竜が目覚め、我々に敵意を持てばどうなるかは想像に難くないかと。」

「幸い、この竜は温厚な性格で会話による交渉が
 可能である事が調査の結果、わかっています。」

「ふむ...穏便に話が出来るか。有難い限りだ」

伯爵は旧ファン王国が竜1匹に滅ぼされた事を知識として知っている。
そうならずに済む可能性が高いのは重畳この上無かった。

「そういうわけで、伯爵。かの森を明確に不可侵地域として
 指定されるのが良いかと考える次第なのです。
 もっと突っ込んだ約定でも良いかもしれません。」

「まず、領民の安全があります。既に行方不明者が出ているわけで。
 何らかの対策は必要かと。」

「また、彼ら妖精と敵対して良い事などありません。
 中には森を迷宮化させる程のものもいる事がわかっておりますし。
 そもそも妖精と敵対すると言うのはどうにも外聞が悪いではありませんか。」

「証明者は目覚めた竜になって貰いましょう。
 竜の仲介の下で妖精と約定を結ぶ。まるで神話の英雄のような話ですよ。」

「ロドラー正魔術師よ。なかなか面白い提案をするな...」

伯爵は顎に手をやり、髭をこすりながら首肯する。

「森の妖精に竜を預かって貰う代わりに、
 此方から森の一定の領域には立ち入らない、と」

伯爵も統治者としては人並みに栄誉に関心は持っている。
竜と立会い妖精と親交を結ぶ。実現すれば更なる声望を得られるであろう。

「その提案、乗ろう。妖精と話をつけてきて欲しい。
 出来るか?」

伯爵はマークの肩にぽん、と手を置く。

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【GMより】

最終進行第二弾となります。順序は逆ですが(苦笑)

皆さんの「報酬おくれ!」の主張は伯爵に聞き入れられました。
ミルやマークの提案も好意的に受け入れられました。
素晴らしい提案がたくさん出ましたね!

[各種判定結果]

○<演奏>:ミル12 &<歌唱>:ミル7

 本文の通り。

○ヘビーフレイルの偽装:ミル12

 本文では言及しませんでしたが認めます。
 それなりに偽装は上手く出来たでしょう!

ミルの予備ダイスは全て破棄させて頂きました。ごめんなさい!

[備忘録]

○1ゾロ
 アイナティート:2回
 マーク    :1回
 ナリス    :1回
 ジュリア   :1回
○支払い
 アイナティート:60+60ガメル
 ストレイ   :100+60+50ガメル
 ミル     :50ガメル
○収入
 ミル     :120ガメル
 追加報酬   :総額3900ガメル
○消費
 ミル     :羊皮紙2枚
 ストレイ   :「仕事」用の地図、被害状況の地図
 ライス    :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
 ストレイ   :『星』の破片、森の地図、竜の鱗
 ジュリア   :竜の鱗
 アイナティート:竜の鱗
 ミル     :竜の鱗

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