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12匹のニジマス

GM [2013/12/13 23:15]

アイナティート、ジュリア、ストレイはミナに同行し、
森の更なる奥へと進む。
4人の後をピクシー達が緩やかに付いてくる。

『エント達は、太古の時代に我々の先祖が結んだ盟約により、
 この森を《迷いの森》で護ってくれています』

だから、本来技量の及ばないミナの呼び掛けには例外的に応えてくれるのだ。

『今は一時的に《迷いの森》を解いた状態になっています。
 急ぎましょう』

普段なら入り込めない妖魔達までが、踏み込む可能性がある。
ミナは、その危険を承知で《迷いの森》を解いた。

***********************************

『...着きました』

ミナが3人を連れてきたのは、
木々の切れ間にひっそりと佇む小さな池であった。

池と言うにはおこがましいそれは、綺麗な円を地面に刻んでいる。
夜の闇の中では分かり辛いが、水底は見えない。かなり深いようだ。
虹鱒は勿論、魚の類の気配は感じられない。

池を囲むように、等間隔で白樺の木が生えている。その数12本。
木々の切れ間からは満点の星空が見える。
そして白銀に輝く月も。

ジュリア、アイナティート、ストレイは感じるだろう。
この場に満ちた強大な精霊力を。
植物の精霊、水の精霊、土の精霊、光の精霊、暗闇の精霊...

『この【12匹のニジマス】は森の妖精界への【扉】なのです』

ミナが3人に説明する。

『このような【扉】は物質界に幾つも存在します。
 幾つもの精霊力が折り重なり、妖精界への道が開きます...』

『【12匹のニジマス】は本来、満月の夜にしか開かれません。
 今夜は満月から少しずれています...しかし』

ミナの身体から黄金の煌きが湧き上がる。

『この程度のずれであれば大丈夫です。
 皆さんと私の魔力を合わせて注ぎ込めば、【扉】を開く事が可能です』

ミナが精霊語の詠唱を始めると、煌きはますます強くなった。

『強く念じてください、【扉】よ開け、と』

3人が思い思いに詠唱すると、それぞれの身体がミナ同様金色の光を纏った。
4筋の光は絡まり合い、輝きを更に増して池に注がれる。

『【扉】よ、開け!!』

ミナが叫ぶ。

すうぅ...

金色の光は吸い込まれるように消え、代わりに池の真上の空間に、
絹で出来た幕のようなものが現れた。

『あれを潜れば妖精界です。行きましょう』

ミナが促した。

***********************************

幕の向こう。
其処は、金色の森であった。

地面から、草木から、空に至るまでが光り輝いていた。
余りの輝きに、目が眩んだ事であろう。

『皆さん、私から離れないようにしてください。
 正しい道は私だけが知っています。
 離れると、この世界に取り残されてしまいますよ』

さらりと恐ろしい事をミナは言った。
ジュリアとアイナティートにとっては本望かも知れない。
妖精の2人には、この空間の心地よさと言ったら無かったのだ。

『気持ちいいでしょう?我々の故郷ですから、当然です』

ミナはそんな2人の様子を知ってか、微笑む。
人間のストレイにも、この世界を包む温かい力に安堵を覚えた事だろう。

『目指す場所はまだ先です。さあ、行きますよ』

ミナは小柄だが動きは早い。パタパタと羽を動かして先導していく。

さて3人は持ち物の内、鉄製のそれが無い事に気づくだろう。

『妖精界には鉄が存在出来ないのです...
 でもご安心ください。戻れば元通りになりますから』

銀と真の銀については変わらない形で所持している。

***********************************

...どれ位歩いただろうか。
深い森を分け入り、川を渡り、花畑を越えた先。
辿り着いたのは並外れて大きい1本の木だった。

『話に聞いた事があるでしょう...
 これは世界樹の枝の挿し木たる黄金樹です』

ミナが解説する。
ジュリアとアイナティートは知っている。
生命の祖たる世界樹の子たる黄金樹を。

『この木の虚に、ルミナスから託された針を安置しています。ですが...』

ミナは木の根元を指差す。
其処には鎮座している生物が1体。

『ルミナスから針を託された際、預けられた守護者です。
 あれを沈黙させないと、針を取る事が出来ません。
 私の技量では倒す事が出来ません...お願い出来ますか?』

ジュリアとアイナティートには分かる。
あれは竜牙兵だと。

***********************************

『有難うございます』

竜牙兵が破壊された後、ミナは黄金樹に幾つか開いた虚へと入る。
...待つ事しばし、小さなチェストを抱えて戻ってきた。

ストレイが罠を確認する。
罠は無いが魔法で施錠されているようだった。
ジュリアが《開錠》を唱えると、かちゃりと音を立てて開く。

チェストの中で大切に守られていた物。
それは、2本の針だった。
人間が裁縫に使う針程度の大きさをしている。

針は全面的に上位古代語が刻まれ、虹色の輝きを放っている。

『私も実物を見るのは始めてです...』

ミナも感動を隠し切れない様子だ。
ジュリアとアイナティートは、チェストの裏側に刻まれた言葉を発見する。

『我、世界のあらゆる生物が安寧に暮らせる日を夢見て、
 この番の針を生み出さん。

 眠りの針は望まぬ迫害を受けている者へ。
 目覚めの針は忍従から解き放たれし者へ。

 願わくば、この力が正しく用いられん事を。
 
 エルミナート・ルミナス』

***********************************

ミナは目覚めの針がどちらか分からなかった。
上位古代語が読めないので当然と言えば当然だが。
なので、ジュリアとアイナティートに教わりながら目覚めの針を手に取る。
腰帯に、厳重に結びつけた。

『これで針の準備が出来ました。
 物質界では結構な時間が過ぎている筈です...急ぎましょう!』

曰く、妖精界での1日は、物質界での5日に相当するらしい。
昼夜の別が無い妖精界では分かり辛いが、
感覚的に半日近くは経過しているように思われた...

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【GMより】

最終進行第三弾、こちらは完全なフレーバー記事となります。
ストレイ、アイナ、ジュリアは希望する場合はレスしてください。

【扉】を潜る時に各々精神点を消費した扱いになります。
...ま、フレーバーですが!消費したい方はご自由にどうぞ。

スケルトン・ウォリアー1体との戦闘もフレーバーです。
間違い無く虐殺となりますので(苦笑)
皆でよって集って魔法を撃つとあっさりと陥落しますからねえ...

[各種判定結果]

今回は無し!

[備忘録]

○1ゾロ
 アイナティート:2回
 マーク    :1回
 ナリス    :1回
 ジュリア   :1回
○支払い
 アイナティート:60+60ガメル
 ストレイ   :100+60+50ガメル
 ミル     :50ガメル
○収入
 ミル     :120ガメル
 追加報酬   :総額3900ガメル
○消費
 ミル     :羊皮紙2枚
 ストレイ   :「仕事」用の地図、被害状況の地図
 ライス    :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
 ストレイ   :『星』の欠片、森の地図、竜の鱗
 ジュリア   :竜の鱗
 アイナティート:竜の鱗
 ミル     :竜の鱗

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ストレイ [2013/12/15 00:26]

『ルミナスから託された針、その力は強大です。
 針だけをお貸しする事は出来ません...私が竜の所へ赴きましょう』

「我覚y・・ 確かに、それが賢明です」

伯爵達を信用しないわけではないが、この針は出来るだけ人目に触れさせたくない。姿の消せる妖精ミナが持っていてくれれば、うまくすれば遠目には何をしたかわからないはずだ。

『その為には、妖精界へ赴き【目覚めの針】を取って来なくてはなりません...
 森の同胞お2人と、精霊を輩とする人間の貴方、来てくれますか?』

ん?俺もかよ・・。

『...着きました』

小さな池には魚も金もねぇ。
水を少し掬うが、凄まじい精霊力が溢れているのは確かだが水は水だ。
白樺の木が12本。
アレが【12匹のニジマス】?

『この【12匹のニジマス】は森の妖精界への【扉】なのです』

「と、いうことは・・【12匹のニジマス】とは、この場所を表す名なのですね」

『【12匹のニジマス】は本来、満月の夜にしか開かれません。
 今夜は満月から少しずれています...しかし』
『この程度のずれであれば大丈夫です。
 皆さんと私の魔力を合わせて注ぎ込めば、【扉】を開く事が可能です』

なるほど、エントの力と時空のズレを利用した二重防御ってわけか。

『強く念じてください、【扉】よ開け、と』

言われるままに念じると、絹で出来た幕のようなものが現れた。

『あれを潜れば妖精界です。行きましょう』

いよいよ妖精界か・・。

*********************

『話に聞いた事があるでしょう...
 これは世界樹の枝の挿し木たる黄金樹です』

これか?噂の元になった金の葉っぱとかいうのは。
しかし、とすると噂の発端になったものは結構な深部つまり、ここまで入り込んだってことか・・・。

『ルミナスから針を託された際、預けられた守護者です。
 あれを沈黙させないと、針を取る事が出来ません。
 私の技量では倒す事が出来ません...お願い出来ますか?』

んーっ つまり三重の防御ってわけね。しかも制御不能とは。
*******************

なんとか倒したはいいが、コイツは復活したり出来んのかね?
あぁ、それこそ、この役目を古龍に任せればいいか。
次に人間が辿り着くのは時代が変わってからだろうな。

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PL レスだけですが

アイナティート [2013/12/16 22:51]
『...確かに私達は、ルミナスとの約定に従い、彼の品を預かっています』
『ほう、それは助かった』

 実際助かる。これで「なにそれ?」とでも返されようものならどうしようかと。
 いやまあそんな事早々あるわけは無いと思うが。
『ルミナスから託された針、その力は強大です。
 針だけをお貸しする事は出来ません...私が竜の所へ赴きましょう』
『致し方あるまいな。そんな針を他人に預けるなど、考えるだけで馬鹿らしいと分かる』
『その為には、妖精界へ赴き【目覚めの針】を取って来なくてはなりません...
 森の同胞お2人と、精霊を輩とする人間の貴方、来てくれますか?』
『うむ、承った!』


△▼△▼△▼△▼△▼


 そうしてミナと名乗るピクシーに同行してしばし、私達は木に囲まれた池に着いたわけだ。
 ......どうでもいいがミナってルミナスから取ったんだろうか。
 ともあれそのミナが道中にて曰く、
『今は一時的に《迷いの森》を解いた状態になっています。
 急ぎましょう』
 とのことなので、急がねば。私のような善良な者ばかりではないのだ、この世界は。
 さて、しかしこの池もどきの周囲にはそう、なんというか大変凄まじいほどの精霊力が満ちている。すごい。
『この【12匹のニジマス】は森の妖精界への【扉】なのです』
 との言葉もむべなるかなといったところだ。これのどの辺がニジマスなのかはさておき。

 で、ミナの言によると我々の魔力とかを注ぎ込んでちょっとズレてるけど頑張ってつなぐ、とのこと。
 むむむ......開け【扉】よ!この私さまが祈るのだからな!


△▼△▼△▼△▼△▼


 現れた絹ごとき幕の向こうは、黄金の森だった。眩しい。
 しかし、むう、なにやら心地良いな......っと、イカンイカン。集中せねば。
『皆さん、私から離れないようにしてください。
 正しい道は私だけが知っています。
 離れると、この世界に取り残されてしまいますよ』
『あい分かった。ここにいるのは中々気分が良いが、本の一冊も無さそうだしな。
 取り残されるのはゴメンだ』

 ......しっかり集中せねば。油断したら取り残されそうで怖い。

 と、しばらく歩いて。
『話に聞いた事があるでしょう...
 これは世界樹の枝の挿し木たる黄金樹です』
 そう言ってミナが示す先にはやたらと大きな樹があった。
 黄金樹。エルフたる私やジュリアには馴染み深い名前だろう。少なくとも私には馴染みがある。
 そしてその根本。私では未だ届かぬ魔法の技の産物......竜牙兵がいる。
『この木の虚に、ルミナスから託された針を安置しています。ですが...』
『ルミナスから針を託された際、預けられた守護者です。
 あれを沈黙させないと、針を取る事が出来ません。
 私の技量では倒す事が出来ません...お願い出来ますか?』
 当然、その願いに応えぬ訳にはいかない。私は堂々と宣言したのであった。

『任せろ!主にジュリアにな!』

 ......と。く、悔しくなんか無いんだからな!


△▼△▼△▼△▼△▼


 そうして見せられた針と、チェストに刻まれた言葉。

  『我、世界のあらゆる生物が安寧に暮らせる日を夢見て、
  この番の針を生み出さん。

  眠りの針は望まぬ迫害を受けている者へ。
  目覚めの針は忍従から解き放たれし者へ。

  願わくば、この力が正しく用いられん事を。
  
  エルミナート・ルミナス』

『......理想家だな。悪いことでは無いのかもしれないが』

 あらゆる生き物が安寧に暮らす。耳触りの良いことではある。が、それで生き物が生きていると言えるのか?
 獣はより小さな獣を食わねば生きていけないというのに。微睡みの中にのみ在ることは、果たして良いことだろうか。

 ......さて、ミナも準備ができたようだし早々に物質界へと帰還するとしよう。
 ここの生活も悪くはないかもしれないが、些か刺激に欠けそうだ。

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PL:配管

ろ、ロクにストレイに絡めんかった。済まぬ。
 支離滅裂な文章になってそう。分かりづらかったらごめんなさい(´・ω・`)