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序文

GM [2014/09/06 21:49]

リースデン郊外に存在する【斜陽の谷】と呼ばれる古代の闘技場。
枯れた遺跡として知られていたが、つい最近未踏の箇所が発見された。
其処には驚くべき事に「生きた」魔法装置が!
この不思議な装置には、下位古代語でこう記されていた。

『凶兆を示す数、108。力を尽くして打ち払え―――』

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【斜陽の谷】を管理しているのはリースデン辺境伯フェリペだ。
【落日の決闘】以来、芸術のみならず武術に対しても理解を急速に深めた。
彼はこの「生きた魔法装置」を自身の娯楽と国威発揚に利用したのであった。

「...要は時間内にどれだけ多くの怪物を倒せるか、って事になる」

伯爵の依頼を受けた冒険者達は、魔法装置に到るまでの道程で説明を受ける。
説明そしているのはリースデン宮廷魔術師、オーベルト=シュバルツバウム。

「装置の手前にある台。其処に手をかざすと装置がその者の強さを
 『分析する』のだ。そして、技量に相応しい怪物が現われる...」

「最初、兵士にこれをやらせたらコボルドが出てきた。
 ジョン・ミラー殿や私の時はゴブリンだった。
 ウェンロン師で、ホブゴブリンだった」

ウェンロンとは【落日の決闘】で名を馳せた東方の棒術の達人の事だ。
続けて曰く、

「この魔法装置はとてもよく出来ていてな...
 幻影はほんの10秒程度で姿を消すが、実に高度に練成されている。
 攻撃をかわし損ねれば、本当に負傷するし、当然死ぬ危険はつきまとう」

「...とにかく。この装置は6分にも及び、
 延々と妖魔の幻を吐き出してくれるって訳だ。
 随分酔狂な仕掛けだと思わないか?私は古代の剣闘士の訓練用に
 作られた、と言う仮説を立てているのだがね」

ご丁寧にも倒した幻影の数はしっかりと数え上げられ、
終了後に音声付きで発表してくれるらしい。

「...ひょっとしたら娯楽用かも知れないな。
 まあ、何にせよ昔の人の考える事は分からんってこった」

やれやれと言った表情で肩を竦める。

「開始は此方の上位古代語の呼び掛けで行われる。
 中止を命令して装置を止める事も可能だ。
 遠慮無く言ってくれ。こんな所で死にたくはなかろう?」

もし何かあった場合でも、有償で援助はしてくれるらしい。 

「オーベルトよ、説明は終わったかな?」

装置からやや離れた所でやり取りを見守っていた人物。
彼こそがリースデン辺境伯フェリペだ。

「諸君の働きを楽しみにしている。
 勇者に相応しい戦いぶりを期待しているぞ。
 当然見合うだけの報酬は取らせよう!」

恰幅のよい体型から、響き渡る声で高らかに宣言した。

「さあ、始めるがよい!」

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【GMより】

此方はプロローグです。
ちなみに『落日の決闘』は、以前開催したセッション名及び事件名です。
本セッションの前日談となります。

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