さてお仕事お仕事
賢者の学院は魔術師以外にも名前の通り、賢者を育成する機関でもある。名の通ったオランの賢者や魔術師は大抵ここで勉強し世間に出ていく。昔、幼いころからの数年間、俺に一通りの賢者の知識を仕込んだ恩師もここの出身だ。年老いてあっちこっちの領地に行って貴族の子弟に勉学を仕込むのに疲れ、賢者の学院に通えるほどの資産はないがそこそこの家の子供たち相手に私塾を開いている。上手いこと考えるね、先生。
オランにきてすぐに運よく先生と再会することのできた俺は、俺と先生、2人の時間が空いた時という前提ではあるが、また知識を仕込んでもらっている。―それも格安でだ。― 高いんだよね学院。銭ゲバすぎでしょう・・・。
彼と知り合ったのはその縁だった。
ヴィステリア・ヒル導師。彼は冒険者上りの元戦士という一風変わった経歴の持ち主で、現役の冒険者である俺と中々馬があう。昔、先生にお世話になったとかで先生をたまに尋ねに来る。この仕事も先生のお弟子ならばということで、護衛だけで―しかも5位の階級のエルフの冒険者がいる魔術師たちを、だ!― 1000ガメルという美味しすぎる依頼にありつくことができるわけだ。人生はコネだよねやっぱ!
とまぁそんなこんなで、だ。
「よっ、ストレイ!ここ最近ずーっとお前さんの顔見てる気がするぜ。ひひひ」
ここ最近縁があるのかずーっと一緒に仕事を受けてるストレイ・ドックが今回の同僚だ。酒場かなんかでとったんだろうか?なかなかの幸運の持ち主だ。
「コスモもよろぴく。今回はお客様だからねー。まぁ前衛は任しといておくんなさい」
前に一緒に村をすくった魔術師だ。今回の研修に参加するらしい。
「君たちがストレイとナリスだね。
今回は護衛を引き受けてくれてありがとう。
君たちには期待しているよ。」
?
今回のボス、第5位階の魔術師でありエルフのジュリアだ。すごい綺麗なお顔ね。羨やましいわぁ。冒険者家業のせいで最近お肌の調子が・・・・・・まぁいいや。今は仕事だ。
「ほいほい。ま、料金分の働きはしますよ。ひひひ」
「ナリス、言うたか、自分、なんぼほどでかくなるん?」
「ひひひ。俺に興味津々ですか?いや?まいっちゃうなぁ(キリッ)」
ミル― ストレイに倣って姐さんと呼ぶことにする―姐さん。俺のことを街で見かけたことがあるそうだが、生憎俺は知らないのよね。これは不覚。西方訛りが可愛い人だ。ぐへへ。
「ナリスさん。まだお若そうですが、身のこなしが凄いですね。今度僕にも教えてもらえないでしょうか。あっ、僕は、ライスと申します。今回はお願いします。」
「では契約の方に移りましょうか。剣だけなら週1回3時間で100ガメル。週2回で200。そのほかの技術を学びたいのなら一つの武器につき+1割とさせていただきます。実際格安です」
にっこりと満面の営業スマイルを見せ、歯を白く輝かせた。ライス。でかぁあい!説明不要ッ!・・・鍛えてないのか背の割に筋肉は少ないみたいだけど魔術師なら、まぁ問題あるまい。この背を戦士専業の冒険者連中に分けてやれたらねー。身長というのはそれだけで武器なのだ。
?
?
「で、そちらが護衛さんね。
こりゃ俺が前線に出なくてよさそーだ。頼りにしてるぜー。」
「ま、楽にしてちょーだい。・・・ていうか今まで前線に出てたの?苦労してるのね。
強く生きるんよ?」
マーク。20代後半の男だ。中々引き出しの多そうな男だ。・・・魔術師なのにそれだけの物を持っていっるという事は苦労してきたのだろう。うん。
「うむ、よろしく頼むぞライスにマーク。
っと、皆にも自己紹介するが、私は未来の大魔導師こと新米魔術美少女アイナティートだ。普通にアイナティートと覚えてくれ」
「生まれる前からファンでした。あなたの騎士にしてください(キリッ)」
ひざまずき騎士の礼を取った。エルフ魔術美少女だ!かわいいやったー!これは護衛に力が入りますわ。・・・いやいや騎士として、貴婦人を守るのは当然のことでゲスよ。そこに疚しい気持ちはない。きりっ。
さて今回の依頼。個性的な奴らのおかげで面白いことになりそうだ。
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PL犬屋敷
導師とは賢者の学院で会ったことにしようかと思ったけど、よくよく考えたら金がないことに気付いたので変更した(しれっ)
09:21:55 犬屋敷@ナリス 2d+4
エリオール
Dice:2D6[4,4]+4=12
さて、どうなることやら(笑)