【進行共通05】脱出、阻止。

「ああ、悪いな。持ち合わせがないもんでね
今回は『仕事』は無しだ」「同じく、これでからっけつやねん」
ストレイとミルが挨拶料を支払う。
「毎度。仕事をしないのか...それは残念だな」
そう言いながら、それ程残念そうでは無さそうに、男は金を受け取った。
「冒険者仕事の方でよ。
遺跡にでも潜ろうかって話になってる。
なんか耳寄りな情報でもあるかい?」「遺跡ってだいたい何個くらいあるん?
あと、最後の調査が入った時期、もちろん、学院のひょろながやのうて、
ギルドの面子が金目当てでもぐったのは何年ほど前やろ?
そいてそんとき、ギルドの面子は死んだのか、生きてるのか
危険があったなら、生きてるやつに会ってみたいもんやけど......と、これまでかな?」
「遺跡の数は、発見されたのだけでざっと20はあるな。
そうやらこの辺りは古代魔法王国時代の避暑地だったらしい。
別荘やら実験室やらがわんさかさ」
ミルから情報料50ガメルを受け取り、男は話し出す。
「最後にウチの構成員が遺跡に潜ろうとしたのは去年だな。
行方不明になって帰って来ねえんだ、ソイツは。
新規開拓しようとして森の奥に迷い込んじまったんだよ...」
男は意味有りげな表現をし、
「50ガメルじゃここまでだな」
唐突に話を切ってしまった。
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ブロードの言葉はまともに取り合わなかった広場の市民達だったが、
「マジかー!逃げろ逃げろー!」
「ーーっ!逃げ、ろぉおおおおおおおお!!!!」
マークとナリスの絶叫を聞くに至り、ようやく事態を把握する。
「な、なんだあれは!」
「ほ、星!?まさか!」
「う、嘘だろ!?」
たちまち恐慌状態に陥った。
「じゃからさっきから言うておろうが!愚か者共め」
ブロードはそら見た事か、と言わんばかりに鼻息が荒い。
だが、これも悠長の謗りを免れない言動ではある。
「うむ、私は逃げるぞ!悪いが役に立ちそうもないし!
という訳で広場の者たち!空を見よ!そして死にたくなければ早々に逃げよ!
当然私は逃げるからな、死にたくなければついてくるがいい!
マーク、お前もすぐ逃げるのだぞ!」「"星"が落ちてくる!時間がない、まずは"緑の木陰亭"に避難だ!」
アイナティートとコスモが再度避難を勧告する。
しかし、
「そんな事言われても何処に逃げろって言うんだ!?」
パニック状態の市民にはなかなか言葉が届かない。
そんな時、場違いにのんびりとした声でライスが説明を始めた。
「皆さん。落ち着いて上を見て下さい。
空に見えるあの赤い星がこの広場に落ちてきます。この広場から離れれば大丈夫ですので、僕について皆さん逃げて下さい。
多分どこからでも僕は見えると思います。
もう一度言います。僕について、この広場から離れてください。」
命の危険が眼前に迫っているというのに、この落ち着きよう。
それ程大きな声では無いというのに、何故だかよく響き渡った。
...ライスが喋り終わる頃には、周囲は沈黙していた。
「そ、そうだな、従おう!」
「わ...分かった」
一見のんびり、しかし実は結構な早足のライスの誘導によって、
一般市民は続々と広場から離れていく。
アイナとコスモも誘導に付き添った。
「お主...やるのう」
ブロードがライスを絶賛する。
広場から離れたとして、助かる見込みは一切無い。
しかし、ライスはその事について一言も触れない。
群集心理を見事に操作した手腕は、役人としての経験が培ったものだろうか。
「落下点は大体、そこだ! 離れろー!」
一方、広場。
周りを見る余裕も無いマークは、己の危険も顧みずに踏み止まり、
『星』が眼前に迫るまで待った。
『星』は赤々と燃え盛る炎の塊だった。
光と熱に照り返され、圧倒的な重量感に押し潰されそうになる。
凄まじい速さで拡大してくる!
『万物を繋ぐ桎梏は、白き意に従う!』
だが、彼は逃げない。
《落下制御》の呪文を最大に魔力拡大し、空中の『星』を捕らえんとした。
「万物の根源たるマナよ...。」
ジュリアも残り、《落下制御》の呪文を重ねて掛けた。
すると、
ぐぐぐぐぐぐ...
『星』が止まった。
二重に掛けられた魔法が見えざる網となって、『星』を絡め取る。
これで何とかなったと、ジュリアとマークは安心したかも知れない。
ナリスも一瞬、安堵した事だろう。
しかし、その次の瞬間。
ばしいっ!!!
『星』が...弾けた!!
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【GMより】
原因不明の腹痛に襲われてのたうち回ってました...遅れてすみません!
○ミル方面
・各100ガメル支払い受領です
・ミルが支払った50ガメルに対して本文の通りの情報を得ます。
これ以上踏み込んだ情報については追加料金となるでしょう!
○広場方面
・ライスの演説が見事だったのでこういう展開にしました!
パニくった群集にはシンプルで具体的な指示が効果的なのです。
それにしても...慣れているッ!
・マークとジュリアの《フォーリング・コントロール》のお陰で、
『星』の直撃は避けられました。ナイス判断!
しかし、「『星』は弾けとんだ!」(ドラ○エ風)
・マークの予備ダイスは未使用、保留とされてください
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「堕ちてきたもの」に記事を投稿するのでお待ちください。