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【進行共通05】脱出、阻止。

GM [2013/10/17 11:22]

「ああ、悪いな。持ち合わせがないもんでね
 今回は『仕事』は無しだ」

「同じく、これでからっけつやねん」

ストレイとミルが挨拶料を支払う。

「毎度。仕事をしないのか...それは残念だな」

そう言いながら、それ程残念そうでは無さそうに、男は金を受け取った。

「冒険者仕事の方でよ。
 遺跡にでも潜ろうかって話になってる。
 なんか耳寄りな情報でもあるかい?」

「遺跡ってだいたい何個くらいあるん?
 あと、最後の調査が入った時期、もちろん、学院のひょろながやのうて、
 ギルドの面子が金目当てでもぐったのは何年ほど前やろ?
 そいてそんとき、ギルドの面子は死んだのか、生きてるのか
 危険があったなら、生きてるやつに会ってみたいもんやけど

 ......と、これまでかな?」

「遺跡の数は、発見されたのだけでざっと20はあるな。
 そうやらこの辺りは古代魔法王国時代の避暑地だったらしい。
 別荘やら実験室やらがわんさかさ」

ミルから情報料50ガメルを受け取り、男は話し出す。

「最後にウチの構成員が遺跡に潜ろうとしたのは去年だな。
 行方不明になって帰って来ねえんだ、ソイツは。
 新規開拓しようとして森の奥に迷い込んじまったんだよ...」

男は意味有りげな表現をし、

「50ガメルじゃここまでだな」

唐突に話を切ってしまった。

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ブロードの言葉はまともに取り合わなかった広場の市民達だったが、

「マジかー!逃げろ逃げろー!」

「ーーっ!逃げ、ろぉおおおおおおおお!!!!」

マークとナリスの絶叫を聞くに至り、ようやく事態を把握する。

「な、なんだあれは!」

「ほ、星!?まさか!」

「う、嘘だろ!?」

たちまち恐慌状態に陥った。

「じゃからさっきから言うておろうが!愚か者共め」

ブロードはそら見た事か、と言わんばかりに鼻息が荒い。
だが、これも悠長の謗りを免れない言動ではある。

「うむ、私は逃げるぞ!悪いが役に立ちそうもないし!
 という訳で広場の者たち!空を見よ!そして死にたくなければ早々に逃げよ!
 当然私は逃げるからな、死にたくなければついてくるがいい!
 マーク、お前もすぐ逃げるのだぞ!」

「"星"が落ちてくる!時間がない、まずは"緑の木陰亭"に避難だ!」

アイナティートとコスモが再度避難を勧告する。
しかし、

「そんな事言われても何処に逃げろって言うんだ!?」

パニック状態の市民にはなかなか言葉が届かない。
そんな時、場違いにのんびりとした声でライスが説明を始めた。

「皆さん。落ち着いて上を見て下さい。
 空に見えるあの赤い星がこの広場に落ちてきます。

 この広場から離れれば大丈夫ですので、僕について皆さん逃げて下さい。
 多分どこからでも僕は見えると思います。
 もう一度言います。僕について、この広場から離れてください。」

命の危険が眼前に迫っているというのに、この落ち着きよう。
それ程大きな声では無いというのに、何故だかよく響き渡った。
...ライスが喋り終わる頃には、周囲は沈黙していた。

「そ、そうだな、従おう!」

「わ...分かった」

一見のんびり、しかし実は結構な早足のライスの誘導によって、
一般市民は続々と広場から離れていく。
アイナとコスモも誘導に付き添った。

「お主...やるのう」

ブロードがライスを絶賛する。
広場から離れたとして、助かる見込みは一切無い。
しかし、ライスはその事について一言も触れない。
群集心理を見事に操作した手腕は、役人としての経験が培ったものだろうか。

「落下点は大体、そこだ! 離れろー!」

一方、広場。
周りを見る余裕も無いマークは、己の危険も顧みずに踏み止まり、
『星』が眼前に迫るまで待った。

『星』は赤々と燃え盛る炎の塊だった。
光と熱に照り返され、圧倒的な重量感に押し潰されそうになる。
凄まじい速さで拡大してくる!

『万物を繋ぐ桎梏は、白き意に従う!』

だが、彼は逃げない。
《落下制御》の呪文を最大に魔力拡大し、空中の『星』を捕らえんとした。

「万物の根源たるマナよ...。」

ジュリアも残り、《落下制御》の呪文を重ねて掛けた。

すると、

ぐぐぐぐぐぐ...

『星』が止まった。
二重に掛けられた魔法が見えざる網となって、『星』を絡め取る。

これで何とかなったと、ジュリアとマークは安心したかも知れない。
ナリスも一瞬、安堵した事だろう。

しかし、その次の瞬間。

ばしいっ!!!

『星』が...弾けた!!

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【GMより】

原因不明の腹痛に襲われてのたうち回ってました...遅れてすみません!

○ミル方面
 ・各100ガメル支払い受領です
 ・ミルが支払った50ガメルに対して本文の通りの情報を得ます。
  これ以上踏み込んだ情報については追加料金となるでしょう!

○広場方面
 ・ライスの演説が見事だったのでこういう展開にしました!
  パニくった群集にはシンプルで具体的な指示が効果的なのです。
  それにしても...慣れているッ!
 ・マークとジュリアの《フォーリング・コントロール》のお陰で、
  『星』の直撃は避けられました。ナイス判断!
  しかし、「『星』は弾けとんだ!」(ドラ○エ風)
 ・マークの予備ダイスは未使用、保留とされてください

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