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【進行B02】哀れな犠牲者たち。

GM [2013/11/18 00:30]

老竜の突然の放屁。
位置取りが悪かったアイナティートはもろに直撃を喰らっってしまった。

「――――――ッ!?
 おのれ肉達磨め!何をしてくれる......!」

しかし、恨みの持って行き場が無い。

「カーリーはーん、とりあえず学院ついたら、お風呂貸してくださいー」

ミルもしっかりと喰らってしまった。
盗賊としての勘も、どうやら竜には通用しなかったらしい。
まあ、生命に別状が無いのは不幸中の幸いと言うべきか。

「カーリー導師。私も風呂に入らせていただきたい、です」

しかし、嫁入り前の娘2人が喰らうには或る意味過酷な仕打ちではあった。

「そうですね、後でご用意させて頂きます」

直撃を偶然免れたカーリーは、鼻を押さえながら苦笑いを浮かべる。
一方、

「見 切 っ た わ ぁ ! !」

などと無駄に華麗な身のこなしで屁をかわすナリス。
紳士ならば避けるよりも先に婦人を庇ったら如何であろう、
とその場に居合わせた何人かは思ったかも知れない。
しかし誰も口には出さない。

その陰で、己の幸運をこっそりと喜ぶストレイが居たりする。

「謝ることはない。
 ドラゴンにかけられた魔法は強力なものだろうから仕方ない。
 しかし、貴女の実力は見せてもらった。
 その若さで学院を任されるだけのことはある。
 素晴らしかったよ。」

ジュリアの労いの言葉に、カーリーは微笑む。

「貴方に認めて頂けるなんて光栄ですわ」

老竜を眺めて笑うジュリア。

「良いね。早くこいつが目を覚ましたところを見てみたいよ。」

「ジュリア導師は随分ロマンティストでいらっしゃるのですね」

カーリーは、噂で聞いていたのと違うジュリアの印象に驚いている様だ。

「ですけど、お気持ちは分かります。
 話をすれば、結構分かってくれそうな気がしてしまいます...」

微笑みながら、竜に視線を向ける。
勿論、鼻は押さえたままだ。

***********************************

「ただ、その前に広場近辺の住人へ何らかの対処が必要でしょうか。
 竜に余計なちょっかいを出されても困りますし、この騒音では...」

「まず退避する住人の寝床を今晩までに用意...
 これ、神殿だけでは足りませんよねぇ?」

「ご心配なく。避難した住民用のテントの設営、
 及び城壁外の難民キャンプ周辺への柵の設置を開始しました。
 日没までには作業の目処をつける予定です。
 作業には全神殿及び騎士団、衛視及び商人ギルドと職人ギルドが
 連携して従事しております」

騎士が疑問に対して回答する。
この規模の街にしては驚くべき速度での対応だ。

「色々と出費が発生しますが、ここは一つ工面して頂けませんか。」

「...そうですね」

マークの提案に、カーリーは首肯する。

「確かにマークさんの仰る事には理があります。
 賢者の学院に向かう前に、回収をお願い出来ますか?
 費用は私の権限でお支払い出来ます」

あっさりと案は採用された。

「えーと、そういう事なら
 先に報酬の要望だけ言っとくぜ。
 俺は、コイツだ」

「コイツを集めて作ってほしいものがある。
 鍛冶屋の伝手はあるかい?」

ストレイは報酬について要望を告げる。

「武具職人の伝手ならば、ウィッケンさんを頼れば大丈夫でしょう。
 彼は顔が広い方です、きっとご希望の職人を紹介してくださいますわ」

ストレイの要望も了承される。

「ま、会議で了承取ってくれよ。
 俺は、ちょっと寄りたいところがある。
 さっきの爺さんの話で思い出したことがあってな」

ストレイは安心したのか、そそくさと盗賊ギルドへと向かった。

***********************************

半刻程後、彼はカーリーの話を肯定するような情報を持ち帰る。
それはアイナティートやミル、マークの知識を追認するものだった。

「成る程、そのような事件があったのですね...」

カーリーは頷く。
賢者の学院側では、行方不明人物の把握など行わない。
【12匹のニジマス】について熱心に研究した者も居ない。
少し学識のある者ならば妖精界への扉である事はすぐに分かる。
生命の危険を冒して実証するまでも無いからだ。

「賢者の学院に戻り、文献を調べれば新しい情報を得られるかも知れません。
 マークさんの仰る通り、猟師の方に尋ねるのもよいでしょう。
 年寄りの方も、昔話に詳しいと思います」

危機的ではあるが緊急では無い。
この奇妙な状況が、調査を行う時間的猶予を生み出している。
だが、

ぐえぷっ。

爆風のようなゲップが吐き出され、哀れな衛視が吹き飛ばされる。
立ち込める屁とは別種の匂いに、またしても鼻を塞ぐ羽目になる。

「もう、勘弁してくれぇぇぇぇ...」

或る衛視が心底うんざりした表情で肩を落とした。
人々の精神的な余裕は、あまり無いように思えた...

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【GMより】

なかなか先へと進まず申し訳無いです、分割第2弾です。
これで皆さんの行動宣言全てにレスをしたつもりですが、
もし漏れている場合はお伝えください。適宜修正と追記を入れていきますので。

マークとストレイの要求はカーリーが認めてくれました。
ストレイが盗賊ギルドで入手した情報は今回の進行で共有出来たとします。

次で、場面を進めますね。今度こそ...

[『星』の欠片の回収について]

参加者各々で2d6と1d6を振り、次回投稿で結果を添付してください。
ちょっとしたボーナスゲームです。

2d6*100ガメル分、報酬(総額)が増減します!
増減は1d6で決定されます。

○1  ...減ります!(ガセを掴ませられた!)
○2?5...増えます!
○6  ...出目*2増えます!(質のよい鉄だった!)

[備忘録]

○1ゾロ
 アイナティート:2回
 マーク    :1回
 ナリス    :1回
○支払い
 アイナティート:60+60ガメル
 ストレイ   :100+60+50ガメル
 ミル     :50ガメル
○収入
 ミル     :120ガメル
○消費
 ミル     :羊皮紙2枚
 ストレイ   :「仕事」用の地図
 ライス    :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
 ストレイ   :『星』の破片、森の地図、被害状況の地図

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