【進行A01】伯爵、猛る。

ライスは商人ギルドへ赴き、ウィッケンへと面会を申し出る。
広場の竜騒ぎに大騒ぎであったが、司祭から貰った紹介状が効力を発揮し、
それ程時間はかからずウィッケンに会う事が出来た。
「事情は分かった!」
ライスが己の出自を述べ、経緯をかいつまんで話をすれば、
馬を貸し出す事を快諾してくれる。
御者付きの馬車だ。
「竜だなんて、3年前の猿どころの騒ぎじゃあない...
伯爵に一刻も早く来て頂かねばな」
そう言いながらウィッケンは身支度を整えている。
「私はこれから会議さ。君のお仲間と、対策は考えておこう」
これから街の有力者による緊急対策会議が行われるのだ。
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かくしてライスは馬上の人となった。
商人ギルドの馬車だけあって、道中は快適だ。
何より、体力を消耗しなくて済む。
深緑に覆われた街道をひた走る事、半日。
陽がすっかり沈んだ頃、ダンマルク伯爵の居城へと到着した。
御者が門番に対し、ウィッケンの名を出し緊急の取次ぎを申し出る。
「分かりました」
すぐに中へと通される。
慌しく応接室へと案内され、温かい茶と食事が運ばれる。
空腹と乾いた喉を癒しながら待つ事しばし。
ぎい、と扉が開いた。
「待たせてすまぬな、ウィッケンの使者たちよ」
現れたのは、洒落たガウンに身を包んだ美髯の紳士であった。
「お初にお目にかかる。私がアウグスト=ダンマルクだ」
楽な姿勢を促し、自らもライスの正面に腰掛けた。
「お目通りを得たことを感謝します。
私は、オランの役所に所属するライスと申します。
また、同所の賢者の学院の構成員でもあります。ご多忙のところの突然のお目通り大変恐縮ですが、
この度、賢者の学院の用務にてエリオールの地を訪れたところ、
彼の地の広場に星が落ちてまいりました。たまたまその場に居合わせた私どもの呼びかけにより、
広場にいた人々は速やかに避難を行うことができたため、
ほとんど被害は出ておらず、また、
けがをした者もファリス神殿などの多大なご尽力により癒されつつあります。そのことだけであれば、わざわざこのようにお目見得を願い出るほどのことでは
なかったのですが、問題は、その星の中にドラゴンがいたということです。
そのドラゴンは、なぜか今は眠っており、また、
衛視の方々と共に私の仲間たちがその場で見張っておりますので、
人々にすぐに被害を与えるということは無いかと思われます。しかしながら、このドラゴンがいつ目覚めて動き出すかもわかりません。
また、そのドラゴンはどのような意図をもってこの地に降りてきたかもわかりません。今、この地の賢者の学院のカーリー様も現場に来て頂いておりますが、
私どもとしては、早急に何らかの善後策を講じる必要があるかと思っております。もしお許しいただけるなら、大変お手数のこととは思いますが、
御領主自ら現場にご足労願い、
状況を把握して頂くというわけにはいかないでしょうか。
また、このことについての心当たりなどはございませんでしょうか。」
最初はふむ、ふむと頷いていた伯爵であったが、紹介状を読み、
話を聞いている内にみるみる内に顔は赤くなり―――
「ド、ドラゴンだと!?」
いきり立って激しく立ち上がった!
「事情は分かった。それは何とかせねばなるまいな...残念ながら心当たりは無い。
早速行って状況を確認しよう、騎士団も同行させる」
言うが早いが、傍に控えていた侍従にあれこれ指示を出している。
「猿騒ぎの時のような恥をかく訳には、行かんのだ...」
伯爵はこっそりと呟く。
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【GMより】
ライス方面のレスです。お待たせしました!
悩みましたが、カテゴリ分けておきますね。時間軸が変わりますので。
アウグスト伯爵登場です。髭のナイスダンディです。
ライスの要請に応えてエリオールへ出動してくれます。
最後の台詞ですが、『略奪者を撃て!』の件で馬鹿にされた過去に対しての
ものです。あの事件の反動で、治安維持に熱心になったという訳です。
[備忘録]
○1ゾロ
アイナティート:2回
マーク :1回
○支払い
アイナティート:60+60ガメル
ストレイ :100+60+50ガメル
ミル :50ガメル
○収入
ミル :120ガメル
○消費
ミル :羊皮紙2枚
ストレイ :「仕事」用の地図
ライス :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
ストレイ :『星』の破片、森の地図、被害状況の地図
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