【進行A02】書庫を紐解く。

ライスはダンマルク伯爵に申し出る。
「あと、私も御領主に同行させていただく所存ですが、
もしお許し頂けるのなら、御領主のお支度ができ、
出発するまでで結構ですから、
このお城の書庫の閲覧をさせていただきたいのですが。星として地上に落ちてくる竜などについて文献に記載がないか
確認をさせて頂きたいのです・・・。それを許して頂けますなら、それとともに、
古文書や古代語に通じた者がおりましたら、
そのもののお力添えを願いたいのですが・・・。」
「ふむ...確かに書庫ならある。
文官も居るには居るが、魔術師や賢者は居らんぞ。
宮廷魔術師はエリオールのカーリーが兼任しているからな」
何か入用の時はカーリー導師を呼び寄せているらしい。
「それでもよければ、使うといい。許可は出しておこう。
但し、時間は一刻も無いぞ?」
言うが早いが、侍従に指示を出す。
「それに移動は結構疲れるものだ。
いざ現地へ到着したら眠くて動けない、となっては困るな。
その辺りは自分の体力と相談するがいい。
自分の能力を見極めるのも、官吏に必要な度量よ」
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案内された書庫は、それなりに整ったものではあった。
だが、宮廷魔術師の居ないこの城の蔵書は、
魔術師のライスから見れば不満の残るものであった。
その大半が、政治や兵法に関するものばかりで、
伝承や遺跡、魔術に関するものはごく一般的なものに限られていた。
手伝ってくれた文官達の整頓能力や記憶力は頼もしいものであったが、
それでも元になる情報量が乏し過ぎる。
限られた時間も、調査の難航に拍車を掛けた。
もう間もなく出発の時間となり、
成果も乏しいまま調査を終えねばならなくなった。
その際、1冊の本がライスの視界に飛び込んできた。
疲労した目をこすり、手に取ってぱらぱらとめくってみる。
「ああ、それは伯爵家の歴史についての記録です。
貴方様が必要としているような情報が載っているとは思えませんが...」
文官の1人が説明してくれた。
本はダンマルク家の沿革、代々の領主の治世、
一族の生涯について書かれたものだ。
確かに、老竜のことなど書かれていなさそうだった。
だが。
ライスの手と目が止まる。
気になったのはこの一節。
『この地はルミナス家という魔法王国の時代にあって珍しい、
大地母神を信仰する一族によって治められていた。
末期の混乱の中で一族は滅亡したが、被支配者への寛大な処遇と治世は、
倣うべきものである...』
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出立の時間となった。
「どうかな、成果はあったかな?」
伯爵はライスに声を掛ける。
「馬車の中で休むがよい。休める内に休んでおくのも仕事だ」
伯爵は正装の中に鎖帷子を着込み、腰には剣を佩いている。
「勇敢なら我が騎士団諸君!
エリオールの救援に、今から向かう!
相手は竜だが恐れる事は無い!
我々の目的は市民の救援であって竜の討伐では無い事を、
ゆめゆめ忘れぬな!
市民の安全を最優先で確保した後、オランからの応援と共同で作戦にあたる。
繰り返すが市民の安全を最優先せよ!」
伯爵の激に、騎士達は敬礼を以って応える。
「では...出発する!」
こうしてダンマルク伯爵率いる騎士団はエリオールに向けて発った。
ライスがジュリア達と合流するのは、夜明けの事となる。
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【GMより】
とーるさん、大変お待たせしてすみませんでした!
さすがにライスは『12匹のニジマス』などのことは知らない
(耳にしていない)ですよね。
はい。仰る通り、ライスは『12匹のニジマス』の話が出る前に
エリオールを出発しております...!
予備ダイス2の効果でほんのチョイ情報を得られたとしましょう。
たまたま読んだ本にこんな情報が載っていて、記憶の隅に引っ掛かった、
位に思っておいてください。
次で皆と合流です!
[各種判定結果]
○老竜についての<知識>:ライス11(予備1使用)
詳細分からず。
※文官の手伝いで+2、蔵書の乏しさで相殺しています
○ダンマルク家の<知識>:ライス13(予備2使用)
本文の通りの情報を入手する。
※文官の手伝いで+2、蔵書の乏しさで相殺しています
[備忘録]
○1ゾロ
アイナティート:2回
マーク :1回
ナリス :1回
ジュリア :1回
○支払い
アイナティート:60+60ガメル
ストレイ :100+60+50ガメル
ミル :50ガメル
○収入
ミル :120ガメル
追加報酬 :総額3900ガメル
○消費
ミル :羊皮紙2枚
ストレイ :「仕事」用の地図
ライス :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
ストレイ :『星』の破片、森の地図、被害状況の地図
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