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【進行B06】その名はビューイ。

GM [2013/12/02 18:05]

一同はルミナスについても調査を行う。

「問題は、妖精界が手ぇ貸してくれるかだな。
 ちなみにルミナスって、どんな奴だ?

 ってか、ライスはまだか?」

ストレイは不慣れな文献調査を頑張ってやってみるが、
なかなか上手くいかない。ナリスも同様だ。

一方、アイナティートはルミナス家について或る程度の知識を有していた。
彼女が森妖精故か、長寿の故かは分からないが。

ルミナス家は古代魔法王国時代の付与魔術師の家系であった事。
この辺りの地方領主を勤めており、当時珍しく大地母神を信仰していた事。
蛮族に対する支配は寛容であったが、その事が災いし、
末期の混乱期に真っ先に滅ぼされてしまった事を思い出した。

また、アイナティートは彼の肥満竜についても調べる。

「老竜は魔法王国の時代にかなりの数が狩られたそうです」

手伝ってくれている学生が一般常識を口にする。

「竜も生き物。体型や性格に個体差はあって然るべきとは思うのですが...」

にしてもあれは無いですよね。
学生は溜め息と共に新たな書物を並べていく。

さて、書物を紐解いていく。
『怪物辞典』。『幻獣図鑑』。『珍獣百科』。『竜の生態』...
書かれているのは一般論的な竜の記述ばかりだ。

そんな中、アイナティートは1冊の本に目を止める。

『魔物を友とした男』

そんな奇妙な写本であった。

めくって読んでみる。
内容は魔物と心を通わせる能力を持った男が各地を放浪し、
種族を超えた友情を育んでいくという、よくある少年向けのものだ。

その中の一章に、

―――泣き虫ドラゴンのビューイ―――

というものがあった。

そのドラゴンは変わり者で、食べ過ぎで太ったような姿をしていた。
あまつさえ、しくしくと泣いていた。私は尋ねてみた。

「君はどうしてそんな所で泣いているんだい?」

返ってきたのは、何とも拍子抜けする言葉だった。

「友達が居ないからさ」

「友達?」

全ての生物の頂点に君臨する竜が、不思議な事を言う。

「そう、友達」

竜は頷いた。その瞳は、巨体に見合わずつぶらであった。

「皆僕から逃げていく。
 何もしてないのに勝手に怖がって、勝手に怒り出すんだ。
 仲間からは馬鹿にされるし、僕はいつも仲間外れさ...」

そう言うと、竜は辺りに響き渡る轟音と共に、
おーいおーいと泣き始めた。鼓膜が破けそうだ。

「...君は優しいんだね。
 その気になれば、何でも思い通りに出来ると言うのに」

私は驚かずにはいられなかった。
その気になれば大地を蹂躙し、思うざまに出来る最強の生物は、
その身の不幸を嘆き、悲しみにその身を漬しているのだ―――

...その後、竜をつけ狙う人間共を男は追い払い、
この竜の為に、新たな住処となる孤島を探しに行く、というものであった。

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情報収集がひと段落し、今後の対応について話し合う。

「星の欠片も持って行こう。もしかしたらルミナスとの繋がりを証明する材料になるかも。」

『星』の欠片は森の妖精に見せる為に持っていく事。

「今回の冒険終わったら、伝承について違うバイアスかけて
 流布しなおさへんとあかんかもなあ」

「このこと、とくに『絶対起きへん』いうのは、
 当面、ここにおる面子だけでナイショにしとかへん?
 街の上の人に知られたら、あのドラゴンはん細切れにされてまうかもしれへん」

老竜が目覚めない事については他言無用とする事。
事後、意図的な情報操作を行う事。

「ドラゴンはんの鱗でも、もってくか?
 一枚剥いだとこで、絶対起きへんのやろし」

「なにしろ古代カストゥール時代の話だからな。
 当時の物品が残ってるわけでもなし......。
 あの蜥蜴の鱗一枚くらい剥いで持って行ってみるのはどうだ?
 星の欠片と合わせれば多少は信用性も増すかもしれん。
 幸いあれは大人しいようだし、
 小さい鱗一枚くらいなら気づかないかもしれんぞ」

「ドラゴンの鱗をはいで行くのは、私は反対だな。
 人間になぞらえてみると、『その爪綺麗だから一枚ちょうだい』と、
 同じ感覚らしいぞ。
 ドラゴンは起きないだろうが、目を覚ました後がかわいそうだろう?
 残酷なことをする、と、妖精の信頼も、逆に損なうかもしれない。
 あれほど個性的なドラゴンだ、
 見せるならばクリエイト・イメージで充分ではないか?
 偽のイメージも作れるが、あのようなドラゴン、誰が想像しよう。」

「ふーむ。まぁジュリアンの意見でいいんじゃにゃい?
 そら温厚なドラゴンかもしれんけど
 されどドラゴンだしねー。報復とかされたら正直責任もてないし・・・」

竜の鱗は剥がさない事。

しかし、偶然というか僥倖というか。
ストレイは情報収集から戻る際、落ちていた鱗の何枚かを採取していた。
あれだけ激しく身じろぎしているのだ、自然と剥がれ落ちていたのだろう。
盗賊の手癖が幸いした格好だ。

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【GMより】

情報収集はこれで区切り、次は場面展開しますね。
アイナが新たな情報を引き出しました。イイ感じですね!
ストレイの予備ダイスと宣言も好意的に採用させて貰いました。

[各種判定結果]

○ルミナスについての<知識>判定:
 ストレイ8、アイナ15(予備1使用)、ナリス9(予備1使用)

 本文の通りの情報を得ます。

 ※学生の手伝いによる+2の修正を加えています

○老竜についての<知識>判定:
 アイナ14、ナリス12(予備2使用)、ストレイ5(予備2使用)

 本文の通りの情報を得ます。

 ※学生の手伝いによる+2の修正を加えています

○<捜索>判定:ストレイ13(予備2使用)

 賢者の学院に戻る最中に偶然、竜の鱗を入手していた、としましょう!

[備忘録]

○1ゾロ
 アイナティート:2回
 マーク    :1回
 ナリス    :1回
 ジュリア   :1回
○支払い
 アイナティート:60+60ガメル
 ストレイ   :100+60+50ガメル
 ミル     :50ガメル
○収入
 ミル     :120ガメル
 追加報酬   :総額3900ガメル
○消費
 ミル     :羊皮紙2枚
 ストレイ   :「仕事」用の地図
 ライス    :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
 ストレイ   :『星』の破片、森の地図、被害状況の地図、竜の鱗

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