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嘘にだって色々あらーな

マーク [2013/12/13 05:52]

「・・・こんなとこかな?」

やーれやれとペンを置いて伸びをする。
流石にもう寝ないと明日に障るな。

※※※※※

賢者の学院エリオール支部長 カーリー・ジャプセン導師へ

・事の経緯と解決の見通し
事は古代王国カストゥールの時代。
当時、この地を治めていたルミナス家に端を発する。
この家系の最も特筆すべき点は、大地母神を信仰していた事。
これに伴い魔術師以外の者に対しても寛容だったとされている。
当時、蛮族と呼ばれていた我々の祖や妖精、幻獣。
そして竜もその対象となっていた。
竜が魔術師の狩りによって命を落とす事を良しとしなかったルミナスは
友人と協力して竜を星界へと退避させると言う行動に出たのだ。
恐らく優れた付与魔術師だっただろう彼(または彼女)は
それを実現する為に二つの魔法具を創り出している。
一つは刺した対象に永遠の眠りを与える針。
一つは刺した対象を永遠の眠りから開放する針。
(※これは【12匹のニジマス】の一節を引用したものだが、
  眠りが永遠である事を証明する記述は見つかっていない。)
これによって竜を眠らせ、星で包んで星界へ封印する事を可能とした。
ただし、この封印の技術は未完成であったらしく
此度、星がこの地へ落下したのはそれが要因と見れる。

このルミナスと『針』は【12匹のニジマス】に登場するそれと
相違ないと見てまず間違いないと言える。
これにより、現在『針』は12匹のニジマスと呼ばれる池の向こう。
即ち妖精界にて管理されていると推測される。
妖精はルミナスと盟友であり、竜の目覚めはルミナスの望みである為
交渉の余地は十分あると思われる。

なお、件の竜は当時からあの外見であり、
温厚で穏やかであると言う記録が残っている。
交渉する事が出来れば穏便に事態を解決出来る可能性は高いと考えられる。
竜の移転先は森の妖精達の元が第一の候補地として挙げられる。


・まだ星界に残る星
ルミナスは竜の他にも様々なものを星界へと封印したとの記述も
併せて発見されている。幻獣の他に魔法具も含まれるとの事。
当時の魔術師をして封印を考えさせる点を鑑みるに、
非常に危険、または倫理的に問題な代物である可能性が高い。

また、此度ルミナスが治めていた土地に星が落ちてきたのも偶然とは考え難く。
この地に落星が再発する恐れあり。
再び街に落ちる可能性はかなり低いと思われるが、
その星が件の魔法具を内包していた場合は可及的速やかに
これを回収するのが望ましい。
その為にもこの地の領主である伯爵との連携が重要であると考える次第。


・情報の取り扱いについて
1.いかなる攻撃を行っても竜が目覚めない可能性がある事
2.いかなる者も永遠に眠らせる可能性がある魔法具が存在する事
3.星界に危険な魔法具を内包した星があり、それがこの地へ落ちてくるかもしれない事

上記3点は取り扱いに注意を払うべきと進言する次第。
特に先に述べた2点は伯爵にも内密にすべきかと。

まず1。これは前述した通り、実際に攻撃を行って
竜が目覚めないとされる保証は書物の上のそれでしかない。
無用な混乱とリスクを避ける為にも
我々とカーリー師の胸の内にのみ残すべき案件と考える。

その2。この魔法具の存在が広く知られた場合、
それを手に入れようとする輩が出てくる可能性は高いと思われる。
これによって森が、強いてはこの地方が混乱に陥る危険を内包する。
また、万一それが奪われた場合はどのような悪事に使われるかわからない。
よってこの魔法具の情報を一級危険物指定として取り扱う事を具申する次第。
2本の『針』のうち、永遠の眠りを与える針の存在については
完全に秘匿、または既に失われたものとして取り扱うべきか。

最後の3。これも広く知られた場合はその魔法具を求める輩が
発生するであろうと思われる。
場合によっては『針』以上に危険かもしれないそれを
危険人物の手に渡さない為にも情報は規制されるべき。
これは学院側で回収して管理、または処分するのが最も安全である。
その為、迅速な回収を行うにあたって領主たる伯爵の協力がある事が望ましい。
また、星界に封印された魔法具について調査する際は
使う人間に細心の注意を払うべし。我々は聖人に非ず。

※※※※※

「と・・・以上、報告のレポートとなります。」

あー、なんかもーこれで一仕事終えたって感じだ。
実のとこ本番はここからなんだが。

「まぁ、なんです。私達の提案通りにしますと
 伯爵には事実ではない内容を報告する事になりますが・・・」

貴族に虚言か。バレたらタダじゃすまんかもな。

「より大きな危険を避ける為にも致し方ない事かと。」

生憎、俺は敬虔なる神の信徒でもないしねぇ。

※※※※※

「そういうわけで、伯爵。かの森を明確に不可侵地域として
 指定されるのが良いかと考える次第なのです。
 もっと突っ込んだ約定でも良いかもしれません。」

妖精の価値観って俺の領分からは遠そうだよなぁ。
何を手土産にすれば喜ぶのやら。

「まず、領民の安全があります。既に行方不明者が出ているわけで。
 何らかの対策は必要かと。」

この人、そういうのには熱心そうだし。

「また、彼ら妖精と敵対して良い事などありません。
 中には森を迷宮化させる程のものもいる事がわかっておりますし。
 そもそも妖精と敵対すると言うのはどうにも外聞が悪いではありませんか。」

イメージ的にねぇ。

「証明者は目覚めた竜になって貰いましょう。
 竜の仲介の下で妖精と約定を結ぶ。まるで神話の英雄のような話ですよ。」

如何でしょーか。

PLより----------------------------------------------

こんな感じに。
伯爵さんの性格をちゃんと掴めてるかどーか。