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妖精たちと......って私も一応妖精なんだがな

アイナティート [2013/12/07 17:46]
「ああ、嫌だ嫌だ。私はあまり精霊魔法が好きじゃないんだが」

 軽快に森のなかを歩みつつ、そんなことを呟く。
 いやまあ、こうも楽々森歩きができるのも彼奴らのおかげという面はあるのだけれど。
 実際精霊力の探知とか暗視とかは便利だ。いまもエントの力を強く感じているし、それが目的地への道標たるであろうことも分かる。
 それでも単純に魔法を使うという面で考えたとき、自分以外の助力がなければ扱えないというのは気に入らないのだ。なんとなくな。

 とまれ、どうにもけったいな精霊力の歪みを追いつつ早数日。ようやくひとまずの目的地であろう《迷いの森》の境界に辿り着いた。
『...森の同胞達、人間をそんなに引き連れて物騒ですね。
 一体この場所に何のようですか?』
 と、我々の前に現れたのは妖精の一種、ピクシー。妖精のわりに落ち着いてる気がする。偏見だが。
『ここは人間の場所ではありません。魔術師なら尚更です。
 本来はお引取り頂く所ですが...』
『まあ、それは分かっている。魔術師なら尚更、というのもかつての魔術師どもの仕打ちを思えば当然だ。
 人に来てほしくないからこのような術をかけているのだろうし、済まないな』

 適宜相手の弁を翻訳しつつ、事情の説明を始めようとすると、ストレイが膝をついた。
『畏み、畏み』
『我ら、故ルミナスの愛でし地の街より来る者なり――』
 なんと、貴族相手でもあの態度だったストレイが!などと妙な感動を覚えつつ、私も事情説明に回る。
 というかなんだその大仰な言い回し。私が知らないだけで妖精に話すのはああいうのが基本なのか?
『要するに、心優しき付与術師ルミナス......知っているか?
 とにかくそのルミナスが【永遠の眠りをもたらす針】で眠らせたと思わしきドラゴンが、あっちの街に落ちてきてしまってな』
『温厚で優しく、太っちょで多分泣き虫のそのドラゴンが街で眠り続けているわけだが、人間は彼を恐れてしまう。彼を討たんとするかもしれんのだ。
 私としてもそれは好ましからざる結果でな。可能であれば【永遠の眠りから解き放つ針】であ奴を起こして、良ければこの森に住まわせてやって欲しいのだが、如何か?』

 これで十分かは分からないが、まあ足りない部分はストレイかジュリアが何とか言ってくれるだろう。
 大雑把に任せつつ、私は口を閉じて妖精たちの反応を見守ることにした。

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PL:配管
というわけでぺちゃくちゃ説得。
余計なこと言ってないよな......多分。