黄金の樹の下で

『...確かに私達は、ルミナスとの約定に従い、彼の品を預かっています』『ほう、それは助かった』
実際助かる。これで「なにそれ?」とでも返されようものならどうしようかと。
いやまあそんな事早々あるわけは無いと思うが。
『ルミナスから託された針、その力は強大です。『致し方あるまいな。そんな針を他人に預けるなど、考えるだけで馬鹿らしいと分かる』
針だけをお貸しする事は出来ません...私が竜の所へ赴きましょう』
『その為には、妖精界へ赴き【目覚めの針】を取って来なくてはなりません...『うむ、承った!』
森の同胞お2人と、精霊を輩とする人間の貴方、来てくれますか?』
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そうしてミナと名乗るピクシーに同行してしばし、私達は木に囲まれた池に着いたわけだ。
......どうでもいいがミナってルミナスから取ったんだろうか。
ともあれそのミナが道中にて曰く、
『今は一時的に《迷いの森》を解いた状態になっています。とのことなので、急がねば。私のような善良な者ばかりではないのだ、この世界は。
急ぎましょう』
さて、しかしこの池もどきの周囲にはそう、なんというか大変凄まじいほどの精霊力が満ちている。すごい。
『この【12匹のニジマス】は森の妖精界への【扉】なのです』との言葉もむべなるかなといったところだ。これのどの辺がニジマスなのかはさておき。
で、ミナの言によると我々の魔力とかを注ぎ込んでちょっとズレてるけど頑張ってつなぐ、とのこと。
むむむ......開け【扉】よ!この私さまが祈るのだからな!
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現れた絹ごとき幕の向こうは、黄金の森だった。眩しい。
しかし、むう、なにやら心地良いな......っと、イカンイカン。集中せねば。
『皆さん、私から離れないようにしてください。『あい分かった。ここにいるのは中々気分が良いが、本の一冊も無さそうだしな。
正しい道は私だけが知っています。
離れると、この世界に取り残されてしまいますよ』
取り残されるのはゴメンだ』
......しっかり集中せねば。油断したら取り残されそうで怖い。
と、しばらく歩いて。
『話に聞いた事があるでしょう...そう言ってミナが示す先にはやたらと大きな樹があった。
これは世界樹の枝の挿し木たる黄金樹です』
黄金樹。エルフたる私やジュリアには馴染み深い名前だろう。少なくとも私には馴染みがある。
そしてその根本。私では未だ届かぬ魔法の技の産物......竜牙兵がいる。
『この木の虚に、ルミナスから託された針を安置しています。ですが...』当然、その願いに応えぬ訳にはいかない。私は堂々と宣言したのであった。
『ルミナスから針を託された際、預けられた守護者です。
あれを沈黙させないと、針を取る事が出来ません。
私の技量では倒す事が出来ません...お願い出来ますか?』
『任せろ!主にジュリアにな!』
......と。く、悔しくなんか無いんだからな!
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そうして見せられた針と、チェストに刻まれた言葉。
『我、世界のあらゆる生物が安寧に暮らせる日を夢見て、
この番の針を生み出さん。
眠りの針は望まぬ迫害を受けている者へ。
目覚めの針は忍従から解き放たれし者へ。
願わくば、この力が正しく用いられん事を。
エルミナート・ルミナス』
『......理想家だな。悪いことでは無いのかもしれないが』
あらゆる生き物が安寧に暮らす。耳触りの良いことではある。が、それで生き物が生きていると言えるのか?
獣はより小さな獣を食わねば生きていけないというのに。微睡みの中にのみ在ることは、果たして良いことだろうか。
......さて、ミナも準備ができたようだし早々に物質界へと帰還するとしよう。
ここの生活も悪くはないかもしれないが、些か刺激に欠けそうだ。
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PL:配管
ろ、ロクにストレイに絡めんかった。済まぬ。
支離滅裂な文章になってそう。分かりづらかったらごめんなさい(´・ω・`)