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【進行C08】黄昏の目覚め。

GM [2013/12/23 21:57]

ダンマルク伯爵の元へ伝令が前後して掛け付け、
ブロード老の予言が現実のものとなる確率は俄かに跳ね上がった。
暴発寸前の市民達も、これには沈黙せざるを得ない。

「待ちわびておったぞ!」

「ジュリア導師、アイナティートさん、ストレイさん!」

「よく間に合ってくれた!」

歓迎の声が木霊する。
ジュリア、アイナティート、ストレイは緊迫したやり取りが、
自分達が到着する直前まで繰り広げられていたのを雰囲気から
察する事が出来たであろう。

「エリオールの皆様、初めまして」

ミナがふわりと伯爵の前に現れ、挨拶する。
言葉は精霊語では無い、フェアリー語だ。
カーリーが会話出来るし、ジュリアも《言語》の魔法で通訳が可能だ。

「...私は、彼の竜を目覚めさせる手段を携えてきました。
 私には、貴方の危難を取り除き、安寧をもたらす用意があります。
 同じこの森に生きる者同士、力を貸そうと思っています...
 その代わりと言っては何ですが、人間の皆さんにお願いしたい事があります」

ミナは通訳を介しながら、自らの考えを伝える。
その言葉は、一族の頭目らしく威厳と礼節に満ちたものであった。

「森の一定の領域の不可侵と安全の担保か。了承した。
 正式な宣言は竜が目覚めて後に行うが、ミナ殿の厚意に対し、
 この地に住まう人間を代表して謝意を申し上げる」

マークの進言の効果もあり、是非も無しといった風情で伯爵は回答した。

「では、早速だが案内仕ろう。行くぞ!」

伯爵は意気高い。
カーリー、ブロード老、ウィッケン、騎士、急進派の市民代表。
各神殿の司祭が追随する。冒険者達も全員が同行した。

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老竜は大の字になって仰向けになって寝ていた。
生物最強の種の威厳もあったものでは無い。
寝台代わりに、木っ端微塵になった家屋が敷かれている。
これには市民が眉をしかめた。

「この竜ですね」

ミナはふわふわと竜に近づくと、その大きさに見合わぬ声量で言った。

「今から竜を目覚めさせます。
 ですが、穏便に起きる保障はありません...
 皆さんは出来る限り、離れていてください」

察したカーリーが続ける。

「竜の咆哮には人の心を砕く魔力が篭っています。
 全市民に、耳を塞ぐよう指示を出しますので、
 待っていて頂けますか?」

これを実行しているか否かで、被害の規模が級数的に違う。
杞憂で終われば幸い、やっておいて損は無い。

「分かりました...」

歴史的瞬間が訪れるまで、もう半刻ほど待つ事となった。

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時は夕刻。
空は朱から紅に染まりつつある。
周囲には、聞き慣れた鼾だけが響いているが、他の物音は絶無だ。

奇妙な沈黙が支配するなか、ミナは宣言した。

「では、始めますね」

ミナは竜の眉間に、腰から抜いた【目覚めの針】を真っ直ぐに突き刺した。

「目覚めなさい...心清らかなる竜よ!」

針が竜の身体にもたらした衝撃は極微小であっただろう。
しかし、真の銀で造られ、ルミナスによって強大な魔力を込められたそれは、
大きな衝撃を放った。

突き刺した【目覚めの針】を基点に、
眩いばかりの虹色の光が居合わせた者全ての視界を埋め尽くす!

!!!

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【GMより】

竜が目覚める瞬間です。

[各種判定結果]

今回は無し!

[備忘録]

○1ゾロ
 アイナティート:2回
 マーク    :1回
 ナリス    :4回
 ジュリア   :1回
 ミル     :1回
 マーク    :2回
○撃破
 ナリス    :オーガー1体50点、ゴブリンロード1体40点
 マーク    :ゴブリン4体80点
○支払い
 アイナティート:60+60ガメル
 ストレイ   :100+60+50ガメル
 ミル     :50ガメル
○収入
 ミル     :120ガメル
 追加報酬   :総額3900ガメル
○消費
 ミル     :羊皮紙2枚
 ストレイ   :「仕事」用の地図、被害状況の地図
 ライス    :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
 ストレイ   :『星』の欠片、森の地図、竜の鱗
 ジュリア   :竜の鱗
 アイナティート:竜の鱗
 ミル     :竜の鱗

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