野良犬の牙
「そうだ!この落とし前をどうしてくれる」
「償え!死んで詫びろ」
「お前さえ居なければ、お前さえ居なければ!」
『う、うぁぁぁぁぁん!
ごめん、ごめんよぉぉぉぉぉ』
「ほ、本当にはた迷惑な奴だ!」
「出て行け、一刻も早くこの街から出て行け!」
・・・。
ブゥンッ・・!!
詰め寄らんとする市民の前に、棍を突き出す。
「ガタガタ、ルセぇ・・・。
いけすかねぇ・・相手が弱気と見れば、まくし立てる・・。
てめぇら、誇りってもんがねぇのか!!」
棍を地面に叩きつけ、刀の鯉口を切る。
「ダンマルクの貴族様も、補償はするってんだろ?
こいつの身の振りにも俺達に考えがある。
言われなくても、出て行くさ。
・・・。
まだ文句ある奴は、前にでろ。
コイツほどじゃないが、俺が暴れてやる。
少しは楽しませてやるぜ?」
ゆっくりと刀を抜き、一文字に構える。
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刀を納め、ダンマルク候に歩み寄る。
「ダンマルクの貴族様よ。
これからのアンタの仕事は、復興と教育だな。
誇りある街は、誇りある市民から・・だ。
アンタの治世の腕は認めるが、
市民が愚鈍じゃ、いずれ街が腐るぜ?」
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PL 噛み付くからこそ野良犬