竜は竜。
「そうだ!この落とし前をどうしてくれる」
「償え!死んで詫びろ」
「お前さえ居なければ、お前さえ居なければ!」
『う、うぁぁぁぁぁん!
ごめん、ごめんよぉぉぉぉぉ』
「ほ、本当にはた迷惑な奴だ!」
「出て行け、一刻も早くこの街から出て行け!」
うーん。これはマズイ流れ。このままじゃ突っかかったお馬鹿さんたちがローストビーフになっちゃうかもしれん。
やれやれ。まぁそうなったらそうなったで別にいいんだけどね。でも面倒事はできるだけだけたいし。
「あー、これお前ら・・・」
・・・。
ブゥンッ・・!!
詰め寄らんとする市民の前に、棍を突き出す。
「ガタガタ、ルセぇ・・・。
いけすかねぇ・・相手が弱気と見れば、まくし立てる・・。
てめぇら、誇りってもんがねぇのか!!」棍を地面に叩きつけ、刀の鯉口を切る。
「ダンマルクの貴族様も、補償はするってんだろ?
こいつの身の振りにも俺達に考えがある。
言われなくても、出て行くさ。・・・。
まだ文句ある奴は、前にでろ。
コイツほどじゃないが、俺が暴れてやる。
少しは楽しませてやるぜ?」ゆっくりと刀を抜き、一文字に構える。
?
・・・・・・・・・・・驚いた。こいつって怒るってことあるんだな。
俺がどんな軽口きいても笑ってるやつだったんだがにゃー。
・・・まぁ、いっか。
「あー、まぁ取りあえず落ち着きんしゃい、お前さん達。今のお前さん達には生物として当然の本能、すなわち"危機感"が足りちょらん。いいか?いかに後ろの肉の塊が情けない奴だとしても、それがお前らより弱いということでは決してないんよ。
"こいつを刺激するな"こいつは、ただの竜じゃない。エルダードラゴンなんだ。
お前らにできることは突発的な災害に巻き込まれたと思ってただ黙って、こいつが去っていくのを見送り、今までの日常に戻ること。どうだ、簡単だろう?それが俺たちか弱い人間のできることさ」
そういって肩をすくめ、頬をゆがめた。
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ストレイ君のワイルドな一面。
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