【A01-04】意を決する。

「え...?」
メギンズ庄に取り残された若夫婦の存在。
一見、非情とも取れるメギンズの判断に、ファは絶句する。
「本当かよ!なら今すぐにでも出発しよう!」
人間と草原妖精との価値観を知ってはいるものの、
ティノは同族の救出を即座に提案する。
それは、彼個人の気質なのか、冒険者としての実力から来るものなのか。
「な、馬鹿野郎! それで動けない仲間を残して、生き延びた者達
だけで、居心地の良い新しい場所へ逃げようとしていた、
って言うのかい!」
一方、ファは若者らしい直情さでメギンズに怒りをぶつける。
「...ここで怒鳴ったってしゃあねぇだろ。
メギンズがリーダーとして合理的な選択をしただけだ。
非情だけどな、全滅するよか切り捨てたほうがいいもんもある、
逃げるしかなかったんだ」
そして、それを冷静に嗜めるエーリアンだったが、
「だがな!」
激しく手甲をぶつけ、ファとは違った形で自己を表現する。
「ここには俺達がいる、俺達なら虎とやりあうのも不可能じゃないはずだ。
俺たちは戦える、だから戦う。筋が通ってるだろ?」
「...嬉しいにゅう。コッカー、君が連れてきた護衛はいい人たちだにゅう」
メギンズは涙を目に溜めて礼を述べる。
軽薄に映ったかも知れないが、彼は繁殖地の長老である。
エーリアンの指摘する通り、複雑な心情を抱えていたのだ。
「まだそこに虎がいるとして、最初の襲撃で恐らく虎の腹も少しは
膨れたハズ。どこかに隠れてジッとしていれば、直ちに取って食
われるということはないだろう。」
回転が早いファの思考は、早くも具体的な救出プランへと飛んでいた。
「ならば、生きている希望が残っている限り救出が最優先だと思う。
コッカーさん、エーリアンにティノ、虎は強敵だが残された者達が
動けない以上、駆逐するしかない。僕たちでやれるだろうか?」「俺はお前もティノも信用してる、虎なんぞ追っ払ってやろう...
俺達ならやれるぜ」
エーリアンもファの提案に同意を示す。ティノも同様だ。
「とまぁ...俺たちは救助に行く、旦那もそれでいいよな?
もし旦那も戦う!ってんなら最大限フォローするぜ、
猫の手も借りたい状況だしよ」
「猫の手ねえ、確かに」
コッカーは苦笑し、腰に下げた剣に手を伸ばす。
「腹はこんなだが、これでも結構鍛えてるんだ。
私も戦うよ。メギンズは大切な取引相手だし、長年の友人だ」
そう言って、豪快に腹を叩いた。
「だが、私は依頼人だぞ。其処の辺りはちゃんとしてくれよな。
私をしっかりと守ってくれ。危険手当はつけるからな!」
つまり、同行すると言うことだ。
「メギンズさん、集落の配置と残された人がいる場所を教えてほしい。
そして、出来れば人を1人付けてくれれば助かります。」
「先ずは場所を教えるにゅう」
メギンズは現地点からメギンズ庄への道程を説明し、
ティノの地図に描き込んだ。
「誰が行くかは...」
メギンズは逡巡した。
立場上、自分は同行出来ない。
無傷な者を送っては、一団の安全確保が難しい。
手負いの者は送るのは命に関わる...
「俺が行くにゅう」
自ら名乗りを上げたのは、頭部を負傷した草原妖精だった。
「俺がこの村一番の使い手だにゅう。
怪我はしているが、援護なら出来るにゅう。
それに...ハルラは妹だにゅう。出来れば助けたいにゅう、長よ」
「...ロッポ...」
どうやら彼は、メギンズの命を受けて脱出に同行したが、
妹夫婦を置いて逃げたことに後悔の念を抱いているようだった。
「大丈夫にゅう。怪我は其処の兄さんに手当てして貰ったにゅう。
無理はしない、誓うにゅう」
「...分かったにゅう。ロッポ、コッカーたちの案内を頼むにゅう」
メギンズは決断した。
「ようし、では行くかな!」
コッカー氏はこれみよがしに腕をぶんぶん振り回す。
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【GMより】
連日寝落ちですみません!いつもお待たせしております。
此方はAルート、エーリアン、ファ、ティノのルートになります。
[各種行動宣言]
・コッカー氏への同行依頼
→受諾。皆さんRPがいい感じですね。ほだされました!
ただ、1点お伝えしておきますと、
コッカー氏の死亡は無条件セッション失敗と裁定します。
これだけは気をつけておいてくださいね!
・グラランの同行依頼
→受諾。頭を噛まれたグララン、ロッポが同行致しましょう。
手負い状態ですが、上手く使ってやってください。
ちなみにハルラの兄、ってのは後から生えた設定です(笑)
[各種判定結果]
今回は無し!
[購入・消費物管理]
○エーリアン
なし
○ファ
なし
○ティノ
・ボーラ購入:80ガメル消費
・羊皮紙:1枚消費
・「オラン?メギンズ庄の地図」:1枚入手
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「黄昏の集落」に記事を投下するのでお待ちください。