にゅうにゅう回診

旦那に従って、草原妖精たちの元へと駆け足気味に近づく。
近づくにつれ、一団が慌てて何かから逃げてきているようだということが察せられた。
つい、顔がこわばる。チラホラと怪我をしている者もいて、それも皆子供に見えるからだ。
「...」
グラスランナーという種族は、みな年齢に比べ若いと聞くし、コレで大人なのかもしれないが。
そうだとしても、怪我をして苦しむ顔を見るのは...辛い。
「ああ、やっぱりだ。メギンズ!どうしたんだい!」
旦那が草原要請の一人に声をかけた、あれがリーダーなのだろうか。
「...やあ、コッカー。見ての通りだにゅう」
「...にゅう?」
思わず呆気にとられた。
「見ての通りも何も、ピクニックじゃないこと位しか分からんよ。
この様子、村を丸ごと捨てて夜逃げしたみたいじゃないか!」
ハッと気を取り直し、旦那に続けるように口を開く。
「あっ、ああ...旦那の言うとおりだ一体何が有ったんだ?」
メギンズと言うグラスランナーいわく。
自分たちはメギンズ庄という住処から必死で逃げてきたそうだ。
「メギンズ庄って言えば今回の取引先じゃ...ってことは...」
仲間たちの顔をチラと見やる。雲域が怪しくなってきた。
しかし、何が原因で飛び出したかまだ聞いていない。
質問をぶつけようとしたが、察してくれたのか一団の一人が答えてくれた。
「虎の群れに襲われたんだにゅう。
非力な我々では、逃げるだけで精一杯だったにゅう...」
「にゅう...いや、そんなことよりも
虎!?虎って言ったのかアンタ?虎って言ったらアレだぜ?」
両手で威嚇するような仕草をしながら。
「がおー!って叫ぶアレだろ?
いや、まぁ見たことはねぇけど」
「でも、こんなとこに虎なんて出るのか...?」
少し妙だな、と思いつつも旦那と仲間たちに声をかける。
「俺は怪我してる奴の怪我を診てみる、こう見えてそれなりに自信あるんでな。
詳しい話は任せるぜ、じゃあ行ってくる」
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またもや駆け足で怪我をした奴の元へ近づきしゃがみ込む。
「おい!大丈夫か?
俺は多少ながら医療の心得があるんだ、大した役に立てないかも知れねぇが
少しばかり傷を見せてくれねぇか?」
邪魔なガントレットを外して、袋から幾つか治療に使えそうなものを取り出す。
その流れで怪我人の顔色や唇の色などを確認した。幸い今すぐ出血多量で死ぬ事はなさそうだ。
「意識はしっかりしてるな?
傷口を診る、少し包帯を外すぞ...」
そう深い傷じゃない、だが...以前気まぐれで読んだ医療書には...
野生動物の唾液に含まれる細菌は人間には有害だと書いてあった。破傷風を引き起こすかもしれん。
グラスランナーを診るのは初めてだし、同じかどうかはわからんが一応消毒しておいたほうがいいだろう。
「虎にやられたって聞いたが、消毒はしたか?
...にゅうにゅう言われてもよくわからん、とりあえず水で洗うぞ」
水袋の水を...少々勿体無いが洗浄に使う事にする。
傷口を丁寧に洗い流し、包帯を出来うる限り丁寧に巻き直す。
「よしよし、上手く巻けたな。
俺にはこんなことしか出来ないけど、他にも痛いところがあったら言うんだぞ」
そう言って立ち上がり、他の怪我人の元へ向かった。
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PL・医療行為に力を入れてみる回
SWだと神様にお祈りしたらあっさり治っちゃうから今のうちに医療RPを楽しもう...!
というわけでエーリアンは怪我人を診てまわります(地味に賢いところをアピール)
虎の情報などはお二人にお任せします!
でも群れってことは複数いるんですよね...大丈夫かなぁ...
※エーリアンはグラスランナーはにゅうにゅう喋るものだと認識しました
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ダイス
襲ったという生き物について 2d6+5 Dice:2D6[2,5]+4=11
グラスランナー達の怪我を診る 2d6+6 Dice:2D6[6,2]+6=14