【B02-04】雑談、実食。

「あたしはメルティーナ・スカーレットです!
サテュロスですか・・・?ごめんなさい、聞いたことないです・・・。
チュロスなら知ってるんですが・・・。」
「チュロス?何だそりゃ、食えるのかい?」
メルティーナの発言に、ロドホンは首を傾げた。
「丁寧に痛み入る。
某は妖精族の裔、アウゴ・エイデス。
連れなるはハトハ、メルティーナ。
オランを宿りとする冒険者でござる。」
「それはそれはご丁寧に...で、オランって何処だあ?」
サテュロスの生活圏は森に限定される。
遥か遠くの人間の領域のことなど、分からない。
「我が眷属の住まぬ森とは...見たところは尋常の森に見えるが、
何か良からぬ力でも働いてござるか?
我らも己の意思ではなく、ここへは飛ばされて参った。
なにかあるのかも知れぬ。
そこへ降りかかったのが、そこな『火の粉』でござる。
貴殿の知人でなければ良いのだが...何者であろうか?」
「良いか悪いかは分からねえけど、少なくともこの森には居ねえなあ。
まあ、森は広いからもっと奥に行けば居るのかも分からんけども」
全ての森にエルフが必ず住んでいる訳では無い。
全ての草原にグラスランナーが居るとは限らないのと同様に。
「あ、そうだ!さっきの怪物さんを捌くの忘れてました!」
「待て、メルティ!
まだこちらのロドホン殿との話が終わっておらぬ。
万一知己であったら、丁寧に弔わねばならぬ。」
手にした両手剣を止めに振るおうとするメルティーナを、アウゴが制止する。
「ああ、その鳥ね!コイツは友達じゃねえから好きにしていいよ?
むしろコイツには大迷惑をしてたんだあ」
鳥。
戦いが終わり、冷静に怪物をまじまじと眺めてみると、
確かに未知の怪物は鳥に見えた。
ただ、鳥と言うには尋常では無く巨大だった。
直立した状態のハトハよりも大きい。
珍妙なことに、翼に該当する部分は不釣合いに小さかった。
果たして飛べるのだろうか?
足は太くて強靭そうだ。メルティーナの鎖帷子を削った蹴爪は鋭い。
嘴は大きく、内側にはギザギザした歯らしき突起がついている。
「メル、お腹すいたならアウゴにもう1回歌ってもらお」
「あ、そっか、アウゴさんは歌で動物が呼べるんでしたっけ?
ならあたし熊か猪がいいです♪」
「ああああ、熊はおっかねえから止めた方がいいぞお。
兎や栗鼠はかわいそうだしなあ、それならこの鳥を食っておくれえ...
美味いか不味いかは分からんけども!」
ロドホンはこの巨鳥を食べても構わないと言う。
「コイツらは最近森に棲みついて生き物を何でも食い散らかすんで、
みんな迷惑してたんだあ。数も多くて困るんだあ。
コイツなんかまだ子どもなのか小さいけどよお、
親鳥なんかもっと大きいぞお!」
どうやらこの森は巨鳥に侵食されているようだ。
「この間なんか、虎の母子が襲われて母親が喰われちまったんだ。
あんた方も気をつけた方がいいぞお、一飲みにされちまうからな!」
尋常ならざる話を聞きながら、
アウゴはロドホンが腰に下げている角笛を見て気づいた。
サテュロスが角笛で奏でる旋律は、人の心を魅惑する、と。
「...で、姉ちゃんは鳥を食べないのかあ?」
思い出したように、ロドホンがメルティーナに促す。
今度は遠慮無く、巨鳥に両手剣を振り下ろすのであった。
.........
......
...
上手く行かない。
そして、美味く無い。
そもそも、獲物を捌き、解体するには通常短剣を用いる。
相手は巨体だが、両手剣は断ち切ることこそ出来るものの、
繊細な作業をこなせるような構造では到底無い。
メルティーナは、一体どうするつもりだったのか?
あれこれやろうとするが、さっぱり出来ない。
思いきって、嘴と蹴爪を斬り落とした。
これは単純な作業故、大雑把に切り落とすことが出来た。
続けて、羽毛をむしる。
素人仕事で抜いたために、毛並みが乱れている。
装飾品として使う為には、手入れと加工が必要だろう。
ざっくりと血抜きをし、両手剣で大まかに解体することしか出来なかった。
本格的に解体するならば、アウゴかハトハから短剣なり小剣を借りる
必要があるだろう。
どぼどぼと地面に染み込み、一面に血の匂いが充満する。
ロドホンも、鼻をつまんでいる。
アウゴとハトハは、どのような表情で見守っているのだろうか。
続けてメルティーナは肉の断片をかじる。
味は...鳥だ。筋肉質で脂肪が少ない。
硬く、筋張っていて噛むのに力が要る。
血を抜ききっていないせいなのか分からないが、かなり生臭い。
ちゃんと食べるには、焼くか煮込んだほうがよいと思われた。
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【GMより】
お待たせしてすみませんでした。でも楽しそうだから、まあいっか(笑)
此方はBルート、ハトハ、メルティーナ、アウゴのルートになります。
[各種行動宣言]
本文でも示しましたが以下にざっくり回答です。
・森の場所=分かりません!
・街道へ出る道順=知りません!
・危険な生物の有無=巨大な鳥がうようよしているそうです。
質問の仕方は工夫したほうがよいかも知れませんね!
[各種判定結果]
○<動植物知識>:ハトハ8、アウゴ7、メル7
巨大な鳥(高さ2m前後)だと思いました。細かい情報は本文参照です。
○剥ぎ取り:メル6-2=4
・大量の羽毛が取れました。乱雑に抜いたので毛並みはバラバラです。
・嘴と蹴爪を獲得。雑に斬っただけなのできちんと加工する必要が有ります。
※特別な宣言が無かった為、グレートソードで解体したとしました。
細かい作業に不向きな武器なので達成値を-2しました。
○テイスティング:メル6
大味で筋肉質な鳥肉のような味がしました。
描写はダチョウ肉を参考にしています。
メルティーナならやるだろう、と思って生肉かじったことにしています。
○<伝承知識>:アウゴ15
サテュロスの持っている角笛の音色を聞くと扇情的な気持ちになって
服を脱ぎだしてしまうことを知ります。バードの呪歌とも違うものです。
この角笛は知的生物にしか効かないことも分かります。
[データ管理]
○ハトハ HP 15/ 15 MP 14/ 14
○アウゴ HP 08/ 08 MP 16/ 16
○メルティーナ HP 20/ 21 MP 13/ 13
[購入・消費物管理]
○ハトハ
・保存食5日分(7g×1日3食×5日分)105G
○アウゴ
なし
○メルティーナ
・巨鳥の蹴爪2セット
・巨鳥の嘴1セット
・巨鳥の羽毛1セット
[次回進行に際してお願いしたい事]
○ロドホンとの会話を継続するか、移動するかを決定してください!
まだ情報は引き出せるので、頑張ってください。
...引き出せるのは情報だけじゃないかもよ?(ニヤリ
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