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アウゴから見た闘い

アウゴ [2014/10/08 01:16]
「エイメーデが」
「持っていけって」
「重たかったであろう?
大切に使わせていただこう。」
二人のピクシーが差し出す魔晶石を、掌に載せてゆっくりとうなずく。

「アウゴ、いた?」
「あぁ、狙い通りと言う訳には参らぬようだ。
二羽いる。」
視界に浮かぶ赤い塊は二つ。
地面に近い大きな塊、その手前の小さめの塊...
早々狙い通りと言う訳にも行かぬものだな。

「パイソンよ!」
想定外がもう一つ...か。
ピッツの声に、背後を振り返れば長く伸びる影が見える。

「メル、そっち先によろしく!」

「テッツ、ピッツ、ひとまず後ろだ。
闇の精霊で意識を絶つぞ!」
ハトハの声に続けて、肩の上の二人に指示を飛ばす。

『暗黒に住まう不可視のものよ、暗き導きを我が敵に、漆黒。』
言霊を紡ぎ、暗闇の中にさらに深い漆黒を呼び出す。
三人で仕留めるつもりが、わずかに届かなかったか...

「こちらは任せよ、まずは仇の一匹目にとどめを差して参れ!」
背後に鳥の叫びを捉え、二人に次の指示を飛ばす。
さて、こちらはどうしたものか...

『暗黒に住まう不可視のものよ、暗き導きを我が敵に、漆黒。』
集中しろと言う方が無理というものだ...
無駄に終わったか。

「メルティ、主が振りほどくまで手が出せぬ。
抜けたら合図せい。」
振り返った刹那、テッツの叫びが聞こえる。
仇の一つ目は取ったようだな。
残るは親鳥か。
ハトハもいるなら、体力を削るのが得策であろうな。

「テッツ、ピッツ、光の精霊で体力を削るぞ。」
肩の上の二人に指示を出して、俺自身も言霊を紡ぐ。

『光に住まう不可視のものよ、白き導きを我に、光球。』
闇に浮かぶ白い球体を、巨大な鳥めがけて放つ。
ちりっ、とかすかに何かの焦げるような音がしたが、ひるむ様子すら見られないとは...
作戦を間違えたやも知れぬな。
考える間に、背後からメルティの声が聞こえる。
ならば、

「メルティ、鳥の方を頼む!」
『暗黒に住まう不可視のものよ、暗き導きを我が敵に、漆黒。』
180度の方向転換と同時に、闇の精霊を大蛇に叩きつける。
後で皮をいただくとしよう。

「テッツ、ピッツ、闇の精霊を呼べ!
光の精霊ではらちが明かぬ。」
肩の上の二人に、三度指示を飛ばす。
それにしてもキツイ...
残る石は一つ、テッツもピッツも限界が近いな。

「ハトハ、メルティ、すまぬがしばししのいでくれ。
集中力が持たぬ!」
攻撃をかわすハトハと鳥に切りつけるメルティに、背後から声をかける。

休むことしばし、鳥の嘴がメルティに刺さった刹那、肩の上でテッツの紡ぐ言霊が耳に届く。
やるなら今か。
『暗黒に住まう不可視のものよ、暗き導きを我が敵に、漆黒。』
親鳥に闇の精霊をたたきつける。
苦しげな叫びが漏れた、ような気がする。
肩の上のテッツが、ゆっくりと倒れる様子が、視界の端に見えた。
差し出した掌に、その軽い体がふわりと落ち、ピッツの悲鳴にも似た叫びがこだまする。

『案ずるな、息はある』
掌をそっと持ち上げれば、かすかに寝息が聞こえる。
精神の力を使い果たしたのであろう、この小さな体で良く闘ったな、テッツ。

-PLより-
う?む、冗長になってしまいましたかね。
戦闘シーン、アウゴ編でございます。
ラストで少しテッツとピッツの行動を描写してしまったので、NGであれば修正かけます。