領主謁見

ライスは商人ギルドへ赴き、ウィッケンへと面会を申し出る。
広場の竜騒ぎに大騒ぎであったが、司祭から貰った紹介状が効力を発揮し、
それ程時間はかからずウィッケンに会う事が出来た。
「事情は分かった!」
ライスが己の出自を述べ、経緯をかいつまんで話をすれば、
馬を貸し出す事を快諾してくれる。
御者付きの馬車だ。
「竜だなんて、3年前の猿どころの騒ぎじゃあない...
伯爵に一刻も早く来て頂かねばな」
そう言いながらウィッケンは身支度を整えている。
「私はこれから会議さ。君のお仲間と、対策は考えておこう」
これから街の有力者による緊急対策会議が行われるのだ。
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かくしてライスは馬上の人となった。
商人ギルドの馬車だけあって、道中は快適だ。
何より、体力を消耗しなくて済む。
深緑に覆われた街道をひた走る事、半日。
陽がすっかり沈んだ頃、ダンマルク伯爵の居城へと到着した。
御者が門番に対し、ウィッケンの名を出し緊急の取次ぎを申し出る。
「分かりました」
すぐに中へと通される。
慌しく応接室へと案内され、温かい茶と食事が運ばれる。
空腹と乾いた喉を癒しながら待つ事しばし。
ぎい、と扉が開いた。
「待たせてすまぬな、ウィッケンの使者たちよ」
現れたのは、洒落たガウンに身を包んだ美髯の紳士であった。
「お初にお目にかかる。私がアウグスト=ダンマルクだ」
楽な姿勢を促し、自らもライスの正面に腰掛けた。
「お目通りを得たことを感謝します。
私は、オランの役所に所属するライスと申します。
また、同所の賢者の学院の構成員でもあります。ご多忙のところの突然のお目通り大変恐縮ですが、
この度、賢者の学院の用務にてエリオールの地を訪れたところ、
彼の地の広場に星が落ちてまいりました。たまたまその場に居合わせた私どもの呼びかけにより、
広場にいた人々は速やかに避難を行うことができたため、
ほとんど被害は出ておらず、また、
けがをした者もファリス神殿などの多大なご尽力により癒されつつあります。そのことだけであれば、わざわざこのようにお目見得を願い出るほどのことでは
なかったのですが、問題は、その星の中にドラゴンがいたということです。
そのドラゴンは、なぜか今は眠っており、また、
衛視の方々と共に私の仲間たちがその場で見張っておりますので、
人々にすぐに被害を与えるということは無いかと思われます。しかしながら、このドラゴンがいつ目覚めて動き出すかもわかりません。
また、そのドラゴンはどのような意図をもってこの地に降りてきたかもわかりません。今、この地の賢者の学院のカーリー様も現場に来て頂いておりますが、
私どもとしては、早急に何らかの善後策を講じる必要があるかと思っております。もしお許しいただけるなら、大変お手数のこととは思いますが、
御領主自ら現場にご足労願い、
状況を把握して頂くというわけにはいかないでしょうか。
また、このことについての心当たりなどはございませんでしょうか。」
最初はふむ、ふむと頷いていた伯爵であったが、紹介状を読み、
話を聞いている内にみるみる内に顔は赤くなり―――
「ド、ドラゴンだと!?」
いきり立って激しく立ち上がった!
「事情は分かった。それは何とかせねばなるまいな...残念ながら心当たりは無い。
早速行って状況を確認しよう、騎士団も同行させる」
言うが早いが、傍に控えていた侍従にあれこれ指示を出している。
「猿騒ぎの時のような恥をかく訳には、行かんのだ...」
伯爵はこっそりと呟く。
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【GMより】
ライス方面のレスです。お待たせしました!
悩みましたが、カテゴリ分けておきますね。時間軸が変わりますので。
アウグスト伯爵登場です。髭のナイスダンディです。
ライスの要請に応えてエリオールへ出動してくれます。
最後の台詞ですが、『略奪者を撃て!』の件で馬鹿にされた過去に対しての
ものです。あの事件の反動で、治安維持に熱心になったという訳です。
[備忘録]
○1ゾロ
アイナティート:2回
マーク :1回
○支払い
アイナティート:60+60ガメル
ストレイ :100+60+50ガメル
ミル :50ガメル
○収入
ミル :120ガメル
○消費
ミル :羊皮紙2枚
ストレイ :「仕事」用の地図
ライス :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
ストレイ :『星』の破片、森の地図、被害状況の地図
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「竜だなんて、3年前の猿どころの騒ぎじゃあない... 伯爵に一刻も早く来て頂かねばな」
「私はこれから会議さ。君のお仲間と、対策は考えておこう」
「ありがとうございます。早急な対応に感謝します。」
>慌しく応接室へと案内され、温かい茶と食事が運ばれる。
>空腹と乾いた喉を癒しながら待つ事しばし。
「皆、バタバタしているだろうけど、僕だけ腹ごしらえさせてもらって、何だか申し訳ないな。でも、空腹では何もできないしね。食べれるときには食べておかないと。」
食事を味わいながら、とひとりごちた。
「事情は分かった。それは何とかせねばなるまいな...残念ながら心当たりは無い。 早速行って状況を確認しよう、騎士団も同行させる」
「御領主のご英断、感服いたします。」
「あと、私も御領主に同行させていただく所存ですが、もしお許し頂けるのなら、御領主のお支度ができ、出発するまでで結構ですから、このお城の書庫の閲覧をさせていただきたいのですが。星として地上に落ちてくる竜などについて文献に記載がないか確認をさせて頂きたいのです・・・。
それを許して頂けますなら、それとともに、古文書や古代語に通じた者がおりましたら、そのもののお力添えを願いたいのですが・・・。」
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PL
伯爵の用意が整うまでには、結構時間がかかるでしょうから、その間に調べ物をさせて頂きたいです。その上、調査に人手も借りたいとずうずうしいことを言ってみます。
さすがにライスは『12匹のニジマス』などのことは知らない(耳にしていない)ですよね。
サイコロはまあ、期待値でした。
とーる@ライス : 予備3 2D6 → 6 + 1 = 7 (11/22-22:10:11)
とーる@ライス : 予備2 2D6 → 6 + 3 = 9 (11/22-22:10:04)
とーる@ライス :? 2D6 → 2 + 5 = 7 (11/22-22:09:57)
とーる@ライス : 予備1 (11/22-22:09:50)
System : とーる@ライスさんが入室しました。 (11/22-22:09:27)

ライスはダンマルク伯爵に申し出る。
「あと、私も御領主に同行させていただく所存ですが、
もしお許し頂けるのなら、御領主のお支度ができ、
出発するまでで結構ですから、
このお城の書庫の閲覧をさせていただきたいのですが。星として地上に落ちてくる竜などについて文献に記載がないか
確認をさせて頂きたいのです・・・。それを許して頂けますなら、それとともに、
古文書や古代語に通じた者がおりましたら、
そのもののお力添えを願いたいのですが・・・。」
「ふむ...確かに書庫ならある。
文官も居るには居るが、魔術師や賢者は居らんぞ。
宮廷魔術師はエリオールのカーリーが兼任しているからな」
何か入用の時はカーリー導師を呼び寄せているらしい。
「それでもよければ、使うといい。許可は出しておこう。
但し、時間は一刻も無いぞ?」
言うが早いが、侍従に指示を出す。
「それに移動は結構疲れるものだ。
いざ現地へ到着したら眠くて動けない、となっては困るな。
その辺りは自分の体力と相談するがいい。
自分の能力を見極めるのも、官吏に必要な度量よ」
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案内された書庫は、それなりに整ったものではあった。
だが、宮廷魔術師の居ないこの城の蔵書は、
魔術師のライスから見れば不満の残るものであった。
その大半が、政治や兵法に関するものばかりで、
伝承や遺跡、魔術に関するものはごく一般的なものに限られていた。
手伝ってくれた文官達の整頓能力や記憶力は頼もしいものであったが、
それでも元になる情報量が乏し過ぎる。
限られた時間も、調査の難航に拍車を掛けた。
もう間もなく出発の時間となり、
成果も乏しいまま調査を終えねばならなくなった。
その際、1冊の本がライスの視界に飛び込んできた。
疲労した目をこすり、手に取ってぱらぱらとめくってみる。
「ああ、それは伯爵家の歴史についての記録です。
貴方様が必要としているような情報が載っているとは思えませんが...」
文官の1人が説明してくれた。
本はダンマルク家の沿革、代々の領主の治世、
一族の生涯について書かれたものだ。
確かに、老竜のことなど書かれていなさそうだった。
だが。
ライスの手と目が止まる。
気になったのはこの一節。
『この地はルミナス家という魔法王国の時代にあって珍しい、
大地母神を信仰する一族によって治められていた。
末期の混乱の中で一族は滅亡したが、被支配者への寛大な処遇と治世は、
倣うべきものである...』
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出立の時間となった。
「どうかな、成果はあったかな?」
伯爵はライスに声を掛ける。
「馬車の中で休むがよい。休める内に休んでおくのも仕事だ」
伯爵は正装の中に鎖帷子を着込み、腰には剣を佩いている。
「勇敢なら我が騎士団諸君!
エリオールの救援に、今から向かう!
相手は竜だが恐れる事は無い!
我々の目的は市民の救援であって竜の討伐では無い事を、
ゆめゆめ忘れぬな!
市民の安全を最優先で確保した後、オランからの応援と共同で作戦にあたる。
繰り返すが市民の安全を最優先せよ!」
伯爵の激に、騎士達は敬礼を以って応える。
「では...出発する!」
こうしてダンマルク伯爵率いる騎士団はエリオールに向けて発った。
ライスがジュリア達と合流するのは、夜明けの事となる。
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【GMより】
とーるさん、大変お待たせしてすみませんでした!
さすがにライスは『12匹のニジマス』などのことは知らない
(耳にしていない)ですよね。
はい。仰る通り、ライスは『12匹のニジマス』の話が出る前に
エリオールを出発しております...!
予備ダイス2の効果でほんのチョイ情報を得られたとしましょう。
たまたま読んだ本にこんな情報が載っていて、記憶の隅に引っ掛かった、
位に思っておいてください。
次で皆と合流です!
[各種判定結果]
○老竜についての<知識>:ライス11(予備1使用)
詳細分からず。
※文官の手伝いで+2、蔵書の乏しさで相殺しています
○ダンマルク家の<知識>:ライス13(予備2使用)
本文の通りの情報を入手する。
※文官の手伝いで+2、蔵書の乏しさで相殺しています
[備忘録]
○1ゾロ
アイナティート:2回
マーク :1回
ナリス :1回
ジュリア :1回
○支払い
アイナティート:60+60ガメル
ストレイ :100+60+50ガメル
ミル :50ガメル
○収入
ミル :120ガメル
追加報酬 :総額3900ガメル
○消費
ミル :羊皮紙2枚
ストレイ :「仕事」用の地図
ライス :ダンマルク伯爵宛の紹介状
○入手
ストレイ :『星』の破片、森の地図、被害状況の地図
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