自己の在り方を問う
モーリス
[2014/11/30 20:03]
「お加減はいかがですか?」
私はできるだけ穏やかな口調と表情で、目を覚ました女性に聞いた。
「あなたは浴場で倒れていたんです。ここはチャ・ザ神殿。心配は要りません。
私はモーリス。彼はエーリアンです。
何か必要なものがありましたら言ってください。用意しましょう。
この男が。」
傍のエーリアンを指す。
「......なぜ倒れていたのか、心当たりはないんですか?」
状況を理解するだけの間を置いてから、私は聞いた。
......衛視という立場を厭うた私が社会正義を果たそうとするなど、客観的に見れば矛盾がある。
ではなぜこのような事をしたかと問われれば、それに応えるのは難しい。
かつての仲間である同期への義理を果たすために、悪を見過ごせない。
そう答えるなら......嘘だ。それは美談として形の整った虚飾でしかない。
ただ、その場で求められる行動をしなければならない強迫観念......そんな、社会でのあり方が、未だ抜け切っていないだけだったのかもしれない。
PL:
「この男が。」のくだりは、エーリアンが近くに居なかった場合は、ないものとして扱って下さい。>GM