崖上決戦

神速をもって駆け出したエーリアンが、コンスタンツと男の間に割り込んだ。
男とインプは、すぐさま目の前に現れたエーリアンにターゲットを移し、攻撃を仕掛けた。
闇の中俊敏に飛び回るインプと男のメイスの攻撃に対応し、エーリアンも武器を構え反撃に出た。
一方、私もまた戦闘に参加できる距離まで移動していた。インプが眼前にいる距離で、杖を振り上げる。 杖の先に灯った魔法の光が、闇の中で軌跡を残して舞った。
上位古代語で力ある言葉を発する。
『万能なるマナよ』
『【魔法に】【抗う力を】』
自分とエーリアンに抗魔の力を与える。
その時には闘いは本格化していた。闇の中で互いの武器が、火花を散らし合う。
すぐさま私も杖を振りかぶって攻撃に参加した。
杖を回転させ、下から掬い上げるような一撃がインプの顎を捉えた。
インプが脱力し、そのまま落下するのを感じた。
その時、聞きなれない言葉が聞こえた。
――強烈な悪寒が走ったかと思うと、全身を貫くような痛みが走った。
見れば男が悪意のこもった眼差しで手をかざしている。
暗黒神の業か。
エーリアンも影響を受けていたようだった。
しかし、痛みは一瞬だった。身体に触れた刃物が、肉を裂かずにすぐさま離れたような感覚だ。
事前に抗魔を施したおかげで、敵の呪文は完全な効果を発揮しなかったのだ。
意に介さず、こちらからも攻撃を加える。
二対一となった時点で勝敗は決していた。
私とエーリアンから攻撃を受け、男が膝をつくのに、そう時間はかからなかった。
殺すことはない。あとは法が裁く。
PL:
戦闘シーン、補完しました。
続きます。