村に着けど温泉は未だ遠し

狼たちを撃破した翌日、しかも夕方になってやっと私達はプロウル村に到着した。
「あれまあ、マルグレーテ様!」
と、到着した私達......というか夫人を村人たちが出迎えた。
連中の言を聞くに、夫人は温泉に行く時にはここに寄るようだな。いやまあ立地的に考えて、当然といえば当然だが。
「ええ、今回はちょっと遠出をしようと思いまして。
森の奥の、ほら...」
との夫人の説明に、猟師らしき男は心当たりがあるのか納得するように対応している。
早く道を教えてくれんだろうか。
「あの温泉ですか、あそこは...」
そんなことを思いながらやりとりを眺めていると、村人が何やら言いにくそうにしている。
その様子を見るだけで、温泉に行こうとしただけなのに、何やら暗雲が立ち込めてきたように思えてしまった。
* * * *
「それで、一体何があったのだ?
あ、私は夫人の護衛の冒険者だ。よろしく頼む」
あのあと村長宅に案内されてすぐ、私は村長に事の次第を尋ねた。
「最近、あの温泉に近寄れなくなってしまったんです」
すると、村長はそんなことを告げた。
「マルグレーテ様もご存知の通り、
あの温泉は山の動物たちの癒しの場でもありました...
其処に最近、猿の群れが住み着いてしまいまして。
しかも、やたら狂暴で近づくと怒って石や木の実を投げてくるんですわ」
「猿か。連中は単独ではそこまででもないが、群れると鬱陶しいからな」
私は戦ったこと無いが、さも知ったふうに口にする。戦いを見たことはあるし。
とまれ、猿の危険度を鑑みると一般人では迂闊に近寄ることはできんだろう。
「更に、同じ時期に、怖いものを見てしまったんですよ...」
「何?」
猿の話で納得していた私に、更なる事実が告げられる。
「あれはエルフだと思うんです。
おいこら。エルフが怖いものだとでも言う気かこの爺。魔法の矢叩きこむぞ。
そう思う私を他所に、話は進んでいく。
見たことがあるから間違いないんですよ。
ただ、私が見たことがあるのとは違ってですね、肌が黒かったんです」
「なんだと......?」
肌が黒いエルフというと、真っ先にダークエルフが思い浮かぶ。
常日頃からよく分からん邪神だかを信じて奇天烈な言動をする忌々しい連中だ。
「加えて一緒に、赤黒い大きいのが居たんですよ!
あの雰囲気は、どう見ても普通の奴じゃあ無かったんですね」
こちらはまあ、おそらくホブゴブリンではなかろうか。最近読んだ本に載っていたはずだ。
赤黒い動物なんて然程おらんし、判断しやすい部類だろう。
「しかし、ダークエルフか......。
馬糞を固めたような性根を持つ屑みたいな連中だが、魔法に長けている。危険性は無視できん。
もしかしたら、猿が凶暴化していることと関わりがあるかもしれん。
......まあ、これも件のエルフもどきが本当にダークエルフだとすればだが」
それに、もし猿が其奴のせいで凶暴化しているとしたら全力でぶちのめさねばなるまい。
たかがダークエルフ如きがこのいずれ偉大になる私と仲間たち、あと夫人の温泉行脚を妨害するなど許すわけにはいかんからな!
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PL:配管
今思ふ 振っときゃよかった 予備ダイス
というわけで怪物判定をしました。さすがにダークエルフについて知らないなんてことはない(笑)
怪物判定:ダークエルフ(修正値+4込み) 2D6 → 5 + 5 + (10) = 20 (12/11-19:18:29)
怪物判定:ホブゴブリン 2D6 → 6 + 6 + (6) = 18
エイプについては以前に出会って知ってますが、一応。
振る必要なかったならスルーしてください。
あ、一度見たことあるけど一応エイプ: 2D6 → 4 + 3 + (6) = 13 (12/11-19:19:12)
ちなみにアイナティートのダークエルフ評には非常に強い偏見がかかっています。ダークエルフ死すべし。