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【B04-01】三つ巴。

GM [2014/12/30 20:51]

翌朝。
まだ木々に靄が薄くかかっており、空には薄暗さが漂う時刻。
4人は旅装を整え、温泉目掛けて出発した。

ノートンへは、村長が昨晩の内に使者を用立て、送ってくれている。
早ければ、4日後には応援が到着する筈だ。

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村長から借り受けた、近辺の地図を手に進む。
道自体はそう迷わない。分かり易い地形だ。
問題は別の所にあった。

何時、何処で妖魔の一団に遭遇するか。
日中は妖魔の活動時間ではない。かと言って、油断は出来ない。
ホブゴブリンはともかく、ダークエルフまで居るのだから。

加えて、目撃証言が妖魔の総数とは限らない。
猟師がたまたま目撃しなかっただけで、他にも潜んでいたかも知れないのだ。
嫌が上でも、緊張感は高まる。

かくして、無言の行軍となった。
普段はお喋りなマルグレーテは、絶えず周囲への警戒を見せる。
視線は鋭く、しなやかな体躯と相まって、まるで猫科の猛獣を思わせる。

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夕刻。
ペースを速めたお陰で、予定よりも早く温泉地帯の近くへと到着した。
件の温泉そのもの姿はまだ見えないが、周囲には硫黄の匂いが微かに漂う。

落葉樹の鮮やかな紅葉が、夕陽を受けてより鮮烈な朱に染まる。
この木々を掻い潜れば、木の実の群生地へと向かうことになる。
一方、眼前の穏やかな傾斜を下れば、岩場へと辿り着くだろう。

その時、アイナティートとリノが異変に気付いた。
傾斜の底、つまり温泉のほうから叫び声が聞こえてくるような気がする。

「...貴女たちも、聞こえましたか」

どうやら、マルグレーテも感づいたようだ。
アイナティートは声の主が、猿たちのような気がした。
加えて、あの忌々しいホブゴブリンの怒号まで聞こえた気がする。

「とにかく、行ってみましょう」

言うが早いが、彼女は駆けていた。

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駆ける、とは言っても、現場に近づけば慎重になる。
シャルロットとマルグレーテ及びリノは、足音を忍ばせながら進んでいく。
深窓の令嬢たるアイナティートには忍び足など不可能だが、
装備がごく軽装なため、自分では何とか大丈夫、と辛うじて思える状況だ。

傾斜が緩やかになり、谷底になるに従って、岩が剥き出しになっていく。
硫黄の匂いはより強烈になり、視界の片隅ではもうもうと蒸気が吹き上がる。
この一帯が、天然の温泉が噴き出ているのは疑いないところだ。

精霊使いであるシャルロットには感じる。
この一帯は、炎・水・土などの精霊力がとても強い。
しかも、それらは未分化であり、始源の混沌の力を秘めているようだ。

足元には、複数の足跡が残されている。
マルグレーテとシャルロットには容易に見分けがつく程だ。

少なくとも10匹前後の猿と、7体の人間型の生物。
うち1体は靴を履き、やや小柄だ。
2体は大柄で裸足、もう4体は小柄で裸足のようだ。

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そして、現場に到着した。

きぃっ、きっ、ききぃっ...!!

やかましく騒ぎ立てながら、猿たちが足元の石を拾い、
片っ端から投げつけている!

『ごぶぅっ!』

まともに顎に当てられ、一体の妖魔が地に伏した。

『ええい、何をしている愚か者!』

失態を激しく罵るのは、深くフードを被った小柄な人物だ。
この中で、アイナティートだけが彼の言葉を理解した。
エルフ語だったからだ...

小柄な人物の周囲には、赤黒い体躯の妖魔が2体、
油断なく武器を猿たちに向け、威嚇の姿勢を取っている。
妖魔ホブゴブリンだった。

フードの人物及びホブゴブリンと離れた温泉の間近で、
猿からの投石で右往左往しているのは最下級の妖魔、コボルドだ。
それが4体。

猿たちは温泉近くに器用にも石垣を作り、
其処から石を投げ続けている。
その数は...10匹。

4人は、猿たちが何故、こんなにも必死に温泉を守っているのか、
疑問に感じたことだろう。
しかし、温泉を眺めると事態を即座に理解する。

明らかな深手を負った一回り大きな体躯の猿が、温泉に身を浸しているのだ。
おそらく、群れの統括者だろう。
アイナティートとリノは即座に理解する。

き...きぃっ...

ボス猿の意識は朦朧としているようだ。
首から肩にかけて、狼らしき生物に噛まれた傷が見える。
かなり深い。

その周囲には、ボス程ではないだろうが、負傷した猿たちが身を浸している。
恐らく、妖魔との戦いで負傷したのだろう。

『きゅきゅきゅこれきいっ!!』

その様子をコボルドたりからは距離を置いた場所から、
意味は読み取れないがおそらくは罵声を浴びせている存在が居た。
居た、という表現は正しくない。浮いていたからだ。

アイナティートとリノは彼の存在の正体を知っていた。
アイナは余程、妖魔に関して嫌な記憶があったのか、それとも得意分野なのか。

あれはグレムリン、記憶を失わせる精霊魔法を駆使する、
侮れない妖魔の一種だ!

『む?』

フードの人物が、4人の存在に気付く。
猿たちも、一斉に此方を振り向いた。

「こんな所に何のようだ、邪魔者共め」

聞こえないように小さく呟くが、残念ながらしっかりと聞こえてしまっている。

「我々はあの温泉を利用したいだけなのだが、
 ご覧の通り、あの猿共に邪魔されて困っているのだ...」

さらりと言ってのける。

「どうだ?あの猿たちを排除するのを手伝ってくれないか?
 手伝ってくれれば、報酬はきちんと払おう」

そう言うと、懐から革袋を取り出す。

「悪い話では無いだろう?
 我々は何も人里に危害を加える訳では無いのだから」

この言葉、何処まで信じてよいのだろうか?

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【GMより】

では遅れを取り戻すべく、場面を一気に進ました!
此方はBルート、アイナティート、リノとシャルロットのルートになります。

シャルロットが<地図製作>で模写しなかったので、
プロウル村近辺地図は借り受けたことにしておきます。
シャルロットが持っていてくださいね。

さて、温泉を眼前にして猿の群れと妖魔一行が対峙しているのを発見しました。
これが最終局面です、どのように行動するかようくお考えくださいね!

フードの人物は顔は見せてませんが、まあお分かりでしょう(笑)
予備ダイスを使用して各種情報を公開しています。
コボルドはシャルロットが既知なので
皆さん、知らないモンスターについては各自で<怪物判定>をどうぞ!

負傷したボス猿と温泉について詳しく調べたい場合は、
各自でダイスを振ってみてくださいね。
シャルロットは特別な情報を得られる可能性が高いですよ!

簡単な受け答えや状況確認が終われば、戦闘に突入したいと思います。
猿を倒すか、妖魔を倒すか、全員まとめて倒すかはようくお考えくださいね!

[状況]

B最終戦闘開始図.png

※視界ペナルティーはまだ発生しません。
ンスターは固定値で処理します。

[各種判定結果]

○予備ダイス1=冒険者Lv+知力B:アイナ12(出目6)リノ11(出目7)

 温泉の方角から複数の叫び声を聞き取れます。
 アイナは猿とホブゴブリンの悲鳴まで聞き取れます。

○予備ダイス2=<怪物判定>グレムリン:アイナ17(出目11)リノ10(出目10)

 本文の通りの情報を得ます。それにしてもインプ語って、マイナーだよなあ...(笑)

○予備ダイス3=<怪物判定>ボス:アイナ13(出目7)リノ8(出目8)

 ボスは狼のような何か(笑)に噛まれて重傷なようです。
 猿の群れの温泉占拠の理由は、これだろうと推測出来ます。

[1ゾロ管理]

○アイナティート無し
○リノ無し
○シャルロット無し

[ステータス管理]

○アイナティート HP 10/ 10 MP 18/ 18 赤外視 
○リノ      HP 10/ 10 MP 15/ 15  
○シャルロット  HP 18/ 18 MP 19/ 19 赤外視 
◎マルグレーテ  HP 18/ 18 MP 15/ 15 
●フードの人物  HP ??/ ?? MP ??/ ?? 
●グレムリン   HP 08/ 08 MP 14/ 14 赤外視
●ホブゴブリンA HP 15/ 15 MP 12/ 12 暗視
●ホブゴブリンB HP 15/ 15 MP 12/ 12 暗視
●コボルドA   HP 08/ 08 MP 08/ 08 暗視
●コボルドB   HP 08/ 08 MP 08/ 08 暗視
●コボルドC   HP 08/ 08 MP 08/ 08 暗視
●コボルドD   HP 08/ 08 MP 08/ 08 暗視

[ダイスチャットからの添付]

今回は無し!

[購入・消費物管理]

○リノ
・魔晶石3点1個購入:900ガメル消費
・ショートスピア(必要筋力4)購入:50ガメル消費
・ダガー(必要筋力4)6個購入:360ガメル
○シャルロット
・羊皮紙1枚消費→「エイザス山の地図」入手(達成値8)
・小石(ノームをコンスピ)
プロウル村近辺の地図貸与

[次回進行に際してお願いしたい事]

○フードの人物(笑)の誘いに乗るか否かをお答えください!
○ボス猿や温泉の状況で調べたいことがあればどうぞ。
○詳しい説明は次回しますが、初期配置の座標を決定して頂けると助かります!

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