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【C01-06】鎮静。

GM [2014/12/11 17:00]

「まぁ、落ち着きな。爺さん。 そう生き急ぐ必要もねぇだろ。
 俺の故郷じゃ、雄鶏の頭を噛み切った狐って話があってだな。
 こーいうときは黙って人様の話を聞くもんだぜ」

ヴェンは脅迫紛いの言葉を村長に叩きつける。

「人の話を聞くも何も、詳しい事情をきちんと話してくださいよ!」

向けられた鉾槍の鋭い刃先に、すっかり村長は震えあがってしまった。
其処で、ミルの長い口上が始まった。

「いや、すんまへんすんまへん村長はん
 びっくりしはりましたやろ、堪忍しておくれやす」

村長の手を優しく包む。
多少逞しいが、黙っていればミルは美人の類に入る。

「あ、ああ、ええ」

どうやら満更でも無いらしい。
多少は落ち着きを取り戻したようだ。

「えっと、まずこの有様の説明がいりますね
 実はドウェインはんなんですけどね、
 先刻、暴れ回って人に怪我させてたんで、さしあたり止めたんですわ
 いやや、ドウェインはんに怪我はさせてませんし、
 ドウェインはんが襲った人も、あれ、あのとうり
 今は治療受けてます」

ミルに従い向けた視線の先には、倒れ伏した村民を、
甲斐甲斐しく手当するバーラーの姿があった。

「な、成る程」

流石に村長は納得する。

「んで、そのドウェインはんが暴れ出した原因なんやけど、
 これがハッキリしてまして、『狂獣病』、いう病気なんです
 感染して悪化すると、手当たり次第暴れ出してまうってぇやっかいな病気で、
 おまけに噛んだりかぐったりされたら傷口から感染してまうって有様で、
 いやはや、ほんとにもう......」

「ドウェインが病気ですって!?
 確かにあいつは1週間前に狼に噛まれて以来、
 日に日におかしくなっていったが...」

バーラーが先刻聞いた内容を村長は繰り返した。

「実はこの近辺の村でも発病者が出てて、
 おんなじように患者が暴れて人を襲う事件が発生してまして
 いや、この村以外は同じ病気に感染した動物まで暴れ出してる始末で、
 ええ、信じられへんやもしれませんけど、ほんまですねん
 まま、そのへんは、あとで使いを出して確認してもろたらええ思います」

「より上流の村が騒がしい、という話は噂で聞いていましたが、
 この界隈でそんな話は聞いておりませんでした!」

これも事前の情報と符合する。
これは、まだ被害が出ていない地域に拡大したということに他ならない。

「今いったとおり、もう近所の村ではこれと同じか、
 もっとひどい被害が出てるんです
 そのことは領主はんにも連絡が来ててまして、
 そんで領主はんから国へ、国からオラン魔術師ギルドへ、
 てな具合に話がわたって、ウチらは魔術師ギルドに雇われてその調査に来ましてん
 ああ、ウチは魔術師ギルド所属の、ミル・モフェットいいます、よろしく」

長々と喋って、ようやく自己紹介まで辿り着いた。

「ほんまは、この村に来たらまず村長はんに会って、
 近辺の状況説明するはずやったんですけど、
 着くそうそうにドウェインはんの大暴れに出くわした、
 てなこって、怪我人もようさん出てるし、
 村長はん相手でも襲いかかる状態やったもんで、
 事後承諾になってもうたんは堪忍してください」

「そういう訳だったのですね。ようやく理解しました。
 ドウェインの奴を止めてくださり有難うございます」

村長はすっかり落ち着きを取り戻したようだ。
むしろドウェインを静止したことに謝意を述べた。

「ウチと、そこで治療してるバーラーはいろいろ病気の知識もあるもんで、
 ようよう見たら感染してるか判別がつきます
 んでこっちのグリーンリバーは精霊使いなもんで、
 やっぱり感染者のことが解ります
 実はさっき村長はんに 『怒りっぽくなってないかー』 て聞いたんは、
 村長はんに初期症状出てへんか確かめたかったからなんです
 でも村長はんは、ウチの見立てじゃまだ感染してへんから、
 そこは安心してください」

「そうなんですか、よかった...」

村長は、ほっと胸を撫で下ろす。
この辺りは、上手くごまかしつつまとめた。
文字通りの口八丁だ。

その後、ミルは狂獣病の症状について詳しい説明を行った。

「暴れ回るってのは、実はこの病気の末期症状なんで、
 ドウェインはんがここまで悪化する時間があったってことは、
 他の人ももう何人か感染してるかもしんないんです
 せやからどうにかして村の人で感染してる人を調べたほうがええですね
 また暴れ出す人が出るかもしらんし、それが複数人ってこともあるし、
 なにより移る病気や
 大元の感染源については......なんか思い当たることある、グリーンリバー?」

しかし、グリーンリバーは答えられない。
ので、ミルが話を続けた。

「さしあたっては、一旦感染したら治療は難しいんですけど、
 精霊魔法で一時的に眠らせて進行を止めることはできます
 けど、それができるのはせいぜい数人が限界で、
 本格的な治療には司祭がいりますね
 そこにおるドワーフの娘、レゾナンテは司祭やねんけど、
 できれば手はいっぱいあったほうがええ
 この村に司祭やってはる人がおればええんやけど......
 どうでっしゃろ、ええ人おりますやろか?」

「マーファの神官はおりますが、残念ながら魔法はそれほど...」

村長は表情を陰らせる。どうやら第1階位までしか使えないらしい。
魔法の使い手自体が稀有な存在なのだ。仕方ないことではある。

「あ、それからドウェインはんやけど、村長はんは親しいんですか?
 どないな人ですのん?
 あ、包帯まみれやけど、あれ、誰が巻きはったんやろか」

「ドウェインは村一番の猟師です。
 包帯を巻いたのは彼の妻です...私の娘ですが」

村長の表情が更に曇った。

「実は、一昨日いきなり激怒したドウェインの奴に噛まれています。
 他、様子を見にきた神官も引っかかれました。あと親しい者が2人...」

つまり、村の住民で他に感染の可能性があるのは4人ということだ。 

「ウチらが仰せつかってきたのは、この病気の調査です
 せやからずっとここに張り付くわけにもいかへんよって、
 村長はんのほうで、感染拡大の防止にがんばってくれはったら
 村のひとも安心なんやけど
 でも一人じゃ大変やろから、信用のおける口の硬いええ人がおったら、
 手伝ってもろたほうがええ思います
 具体的な方法については、必用ならウチらのほうからもなんぼかは進言できますんで」

「いろいろ、やぶからぼうのことで驚きはったやろけど、
 聞きたいことあったら何でも言うてください
 ウチらで答えられることなら何でも答えますさかい」

「有難うございます。村民で感染者が居るかを、
 調べて頂くことは出来ますでしょうか。
 こちらこそ協力出来ることはしますので...」

ミルの言葉に村長は頭を深々と下げる。
どうやら、信頼は得られたようだ。

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【GMより】

進行出来るタイミングが噛み合わず、こんなに遅くなり申し訳ない!。
此方はCルート、ミル、ヴェン、バーラー及びグリリバのルートになります。

レスがとんでもなく長くなったので、ミルへのレスのみ先に返しますね。
グリリバとバーラーに関してはカテゴリを移してからにします。
今しばらくお待ちを!

感染疑いはドウェインの妻(=村長の娘)、マーファ神官、他2名でした。
ドウェイン込みで7名、ということですね!

[ステータス管理]

○ミル      HP 14/ 14 MP 01/ 16 集中 
(迅鉄      HP 05/ 05 MP 05/ 05 暗視) 
○ヴェン     HP 16/ 16 MP 16/ 16 
○バーラー    HP 18/ 18 MP 15/ 15
○グリーンリバー HP 19/ 19 MP 15/ 19 赤外視
●ドウェイン   HP 15/ 15 MP 15/ 15 完全拘束

[購入・消費物管理]

○ヴェン
・エール代:5ガメル消費
・ロープ:10m消費
○バーラー
・銀の矢12本セット購入:50ガメル消費
○グリーンリバー
・魔晶石3点2個購入:1800ガメル消費
・琥珀にドライアードを封印

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