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羊皮紙三枚

ミル [2014/12/16 08:54]

村長はんは、幸いなことに話がわかるひとやった
ありがたい
せやけどドウェインはんの奥さんも噛まれて......と

>「有難うございます。村民で感染者が居るかを、
> 調べて頂くことは出来ますでしょうか。
> こちらこそ協力出来ることはしますので...」

「ええ、そりゃもうなんでもしますよって
 ウチらも、調査から戻ったら村の人が大量に病気で襲いかかられる、なんてのはぞっとしませんので」

>「もしよければ、村人を此処に集めて参りますので、
> 順番に見てやって頂いても宜しいでしょうか。
> そして、ドウェインを含めて、
> 病気に掛かった者に処置をお願い出来ますでしょうか...」

「そうおすな、それじゃ、死ぬ病気やいうことはオフレコで、病気のこと話して集めてください」

村長はんから申し出さえあれば、あとはこちらのテンポでコトが進む
村人を集められる、てことは、この人の指導力に信頼を置いてもええってことや

「ほーい、ええ子やねー、歯ぁ見せてー、爪見せてー」

ウチは集まった村人を並ばせて、子供の頃、風邪で治療を受けた医者の表情を思い出しながら、おっとり作業を進める

「あー、心配いらへんからね、命に別状はあれへんし、これ以上は広まらへんから」

一人1分てとこか......時間もあれへんし、必用最低限たけチェックして、急いでちゃっちゃと片付ける
見落としがあったとしても、それは後ほど村長はんと神官はんに引き継げばええし、末期でなけりゃ、ウチらが調査に行ってる間くらいは保つやろう

感染者は、グリーンリバーと神官さんたちにパス
話に出てた、噛まれたって人も、彼がすぐ見抜いてくれた

グリーンリバーは、治療を進めると共に、感染源であるところの川の水について説明した

健康診断を終えて、皆のとこ行って情報を共有してると、ヴェンがウチの耳元で囁く。

>「さっき村人の奴、狼に襲われたってな。
>  早晩、隣の宿場町まで広がるぜ。」

薄ら笑い......危地に入ると凄みが増すのは、あいかわらずや
バーラーから話を聞くと、上流には調査すべき『何か』があるようで
オランで聞いた話より広範囲に拡大してるとこみると、早く根っこに手を打たなくちゃ
病気ってのは指数的に広まるからね

「せやね、もう時間があれへん......村長はん」

ウチは村長はんに近寄って、今後の打ち合わせを始めた

「ウチらはこれから川の上流まで、この病原を探りに行きます
 村長はんは、これから二本ほど、使いを用意してくれますか?
 早馬で」

幸いと言っていいべきか、村人の感染は爆発直前で止まってる

ウチはその場に座り込んで、羊皮紙を三枚取り出し、ペンを用意した

一枚目
近隣の領主へ、村の現状、病気の特定報告、司祭の増員救援要請

二枚目
オランのヴィステリア導師に向けた、村の現状報告と、これからの行動方針(我々は村の上流へ)

三枚目
村長はんと村人用に、初期潜伏患者の特定方法、つまり肉食、性格変化、歯の形態変化
新規感染者が特定できたときの隔離の必要性
野生動物からの感染もあるので、絶対に村外へ出ないこと、井戸水使用の徹底、などの簡易マニュアル

「この二枚を、それぞれオランと、近くの領主はんまでお願いします
 それと......この三枚目やけど、村長はんが信用した人と共有して、適宜に
 ウチらが村外出禁止したかて保障はないし、村の人がどれくらいのパニック耐性あるかもウチらはよう知らへんので、死に至る病やいうのは村長はんのほうで適切に情報出す判断して、とにもかくにも新規感染者を出さへんよう、お願いします」

伝えることは伝えたんで、ウチは荷物をまとめなおすと、みんなのところに戻った
グリーンリバーが、眠りの魔法をかけ終えるのを待ってから、声をかける
この村から先は、野伏ができるみんなが先達

「さて、どうしよっか」

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健康診断と三枚目の羊皮紙は、念のため、です
一人一分でさばき、集まってこなかった村人はあとで村長さんに任せます
メタ的にはほっといて大丈夫なのですが、申し出があった以上、様式ということでひとつ^^;

消費 羊皮紙三枚