冷えた声

>「私も色々と忙しいから、いつまでもこの場にじっとはしていられないのよね」
ためいき偽アイナ
こっちもためいき
「ならさっさとどっかいってくれよなぁ......」
遊びで命を弄ばれるのはかなわんで、実際
まあ、でも、そういう奴やったな、この女は
>「だけど、このまま貴女たちに手ぶらで帰られるのも癪なのよねえ」
ぼやく偽アイナ
「自分は余裕やろけど、こっちは命がけやねんで?
文字通り殺生やで」
やっぱりぼやくウチ
そうして偽アイナに促されて出てきた影を見て......ウチは絶句した
>『御意』
ダークエルフ......まあ、こんくらいは覚悟しとった
けど、なんや、その
「自分、ええもんもってんなぁ」
魔法のスリングだと、みんなに知らせる
そして......
「グルネル!?」
ウチは絶望的な声が喉をつくのを隠せへんやった
「悪魔にして第五階梯の魔術師かよ......おいおい偽アイナ、自分、大人気あれへんで
うわ......魔剣持ってるし」
偽アイナとウチらの中間には魔法陣まで
「あー、んで、そこにおるアザービーストみたいなのが、こっからまだ沸いてくるわけやな?」
うんざりしたかんじで、魔法陣を指す
これまでの人生で最悪の苦境に、どうやら立たされたらしい
>『相手をしてあげなさい。思う存分、腹を満たすがよいわ』
偽アイナの無慈悲な声が響き、ががろんがが突っ込んできた
三匹のオオカミモドキも
こいつらが本気で勝ちに来たら、確実に負ける
敵の手抜きを願いながら、ウチは手をかざした
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とりあえず新たな敵の能力と武器、魔法陣の効果について、みんなに知らせます