【進行D15】出会い。
「かたじけありません
私たちこそ、あの地下から脱出するためには、
エイティ殿の手腕をお借りしなければとうていかなわなかったことでしょう
お礼に対しては、お礼によって返させていただきます
お言葉に甘えさせていただきまして、私は、
エイティ殿との知己を得たことを活用させていただきます、しかし」「力足らずの私ですが、エイティ殿になにかあったときは、
またこの私をお使いください
ご恩は、決して忘れません」
「慣れない事言ってやがる」
ぎこちないミルの喋りぶりに、エースは失笑を堪え切れない。
「まあせやけど、エイティはんにエースはんも、
飲み仲間になってくれると嬉しいですけど!」
その唐突な物言いにはエイティも一瞬呆気に取られたようだが、
「私と飲みたい、等と言う変わり者は久しぶりだよ...」
とだけ呟き、エースの方を見やった。
「素直じゃねえなあ、相変わらずよ」
エースは変わらずニヤニヤしている。
「ブッハハ、ミルでも畏まることがあるんだな
エイティの旦那。俺にはその言葉だけでありがてぇーよ
これだけの報酬を貰えること自体、破格の待遇だろ。感謝だぜ」
ヴェンの言葉に対し視線は向けるが、返答はしない。
元々が、こういう男なのだ。
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後日。
ヴェンは、たまたま通りがかった武具屋で、或る甲冑に目が止まる。
「ああ、その鎧はですねえ、誰も着られないので処置に困ってたんですよ」
求めた訳でも無いのに店主が説明をしてくれた。
「え?まさか、旦那、着てみるんですか!?」
店主の心配を他所に身に着けてみる。
多少の調整と、革や布の部分の補修は必要だろうが、
驚くべき事に、体格はほぼ合致していた。
「まさか、この鎧を着られる人物が居るなんて!」
店主は驚きを隠さない。
「曰くは有る品なんですよ。何でも、レイド帝国の騎士の物だったとか」
店主の言を肯定するかの如く、鎧にはレイド騎士団の紋章が刻まれていた。
「正直、縁起は余りよくないですねえ。
それでも買って頂けるなら、有り難い事この上無いのですが!」
この店主、商売は余り上手くは無さそうだ。
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【GMより】
エンディング第9弾!ミルとヴェン編です。
シモンさんご希望の最高品質プレートアーマーの設定を考えました。
本来は5400ガメルの品ですが曰く有り、で値下げしました。これなら買えますね!
○黒備え
形状 :プレートアーマー
製作者 :"無名の名匠"ゴドー
材質 :鉄
必要筋力/本来筋力:21/26
魔力 :なし
取引価格 :3700ガメル(売却価格2700ガメル)
旧レイド帝国時代に武勇で名を馳せた、或る騎士の為に造られた全身鎧。
表銘には作者ゴドーの名が、裏銘にはレイド騎士団の紋が刻まれている。
並みの膂力の主には纏う事すら不可能なお陰で長年埃を被っていた。
傷だらけではあるが、艶消しした黒に染められた姿は偉容を誇る。
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