黒幕と
アイナティート
[2013/09/10 08:04]
現場の屋敷に到着したと思ったら即座に逃げることになった。
屋敷にいたパック達曰く、何やらヘルハウンドなる犬が出たらしい。火を噴くのだとか。
多分私が勝てる相手では無いだろうから、逃げるのには賛成だ。
逃げ帰る途中、ついさっき見た顔......ミルと合流した。たぶん今度は本物だ、口調とか。
「大変やったなぁ......」なにやらしみじみと言う姿を見れば、あちらも大変だったのだろうと予測するのは容易だ。
「うむ、大変だった。
......考えてみれば私は人探しくらいしかしてない気もするが......ええい、とにかく大変だったのだ」
ブランは何やら歯の浮くようなセリフを言っているが、まあ奴の平常運転だし聞き流しておこう。
ともあれ我々は衛視詰め所に戻り、準備を整えた。
あの偽ミルもそうだが、真相が分からんことにはどうにもスッキリしない。
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で、改めてパックたちとブラン、あと衛視たちと共に屋敷へと戻ってきた。
もちろん今度はしっかり武装している。
現場には、2階に開けた穴から侵入することになった。
「壁をぶち抜くなんて...魔法とは、凄いものなんだな」と衛視長は言うが、実際それが出来る魔術師はそう多くないと思うぞ。悔しいことに私もそうでない方だ。
さておき1階に降りてみると、何やらけったいなものが置いてあった。
人間の剥製、だろうか? 足長と小さいのの2つがある。
可能であれば下手人の顔面にゼロ距離でエネルギー・ボルトを叩き込みたいくらい、悪趣味だ。
「犯人は...随分な趣味を持っているようだな」「......そのようだな。ふん、私では一生かけても分からん趣味だろう」
衛視長の言葉にそう返す。
「お褒めに預かり光栄ね」と、廊下の奥から何時ぞや聞いた声がする。これは確か、偽ミルの声だ。
アイザックの誰何を受けるが、平然と返されている。
私も何か言ってやろうと思ったのだが、現れた姿を見てそれどころではない。
腰まで届くであろう金髪を後ろに流し、小柄な体躯を魔術師風の装いで包んでいた。
長い耳や均整のとれた目鼻立ちが白い肌や黄金の髪と神々すら羨むほどの調和を見せている。
――漂う邪悪な雰囲気のせいでややマイナスだが、全体として私によく似た風貌の同族だった。
まあ、それは良いや。私が美しいのはいちいち再確認するまでもない。
というか古代語魔術を学ぶ私レベルで変なエルフが私以外にもいるとは。流石都会だな。
とまれ、奴は何やら異常な(という表現も酷いが)風貌の人間をコレクションにしているようだ。......不愉快だな。
「ん!?んん?と、アシュレイは言うが......。
これは...君の知り合いか?」
「そんな訳あるか。他人の空似だ......というか、私の血縁だったりしたら嫌だ」
当然こう答える。実際こんなのと血縁なんて死んでもごめんだ。
「アイナティート、貴女は可愛いわね。まるで私の若い頃みたい。「我々は基本的に不老だろうが。不思議なこと云々には同意するがな。
こんなにも自分に似た存在が居るなんてちょっと驚いたけど、
世の中って本当に不思議な事がいっぱい!」
......お前のような者がいるから、私みたいな善良な美少女の立場まで悪くなるのだ。
紛らわしいし、その白い肌を黒く染めるでもしてほしいものだな。きっとお似合いだろう」
奴の親しみさえ篭ってそうな言葉に対し、憎まれ口で応じる。
いや、奴を怒らせるとその時点で殺されかねないとは分かっているのだが、つい。
しかしまあ、奴の主な興味は衛視長とアシュレイのようだな。私に対する関心はそう高くないように思える。
ヘテロクロミアなど犬猫であれば珍しくもないだろうに、理解しきれん。アシュレイのも、まあ見ないほどではないだろう。
―――万物の根源たるマナよ、我を彼の地へと移し給え―――と、奴が上位古代語での詠唱を行う。詠唱の完了とともに、奴の姿は消え去った。
「――って、《瞬間移動》だと!?第七階位の魔法など、導師以上ではないか!
そして、えーと......何だったかな、これ」
消えた奴の代わりに現れたよく分からん怪物。いまいち覚えのない魔物だ。
計3体のそれは、まあこちらの数の暴力によって敗れ去った。二倍だしな。
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PL:配管
当然ですが、相手への評価は自画自賛です。
客観的には進行での地の文を参照のこと。
配管@アイナティート : アザービースト文献判定 2D6 → 2 + 2 + (5) = 9 (09/09-08:09:12)
配管@アイナティート : アザービースト知識判定 2D6 → 1 + 3 + (5) = 9 (09/09-08:07:12)
アザービースト?何それ^q^
※これ以降の部分や評価は、エンディングの本文見てからでー