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終わりと後日譚(〆

アイナティート [2013/09/12 14:42]
「アイナティート、貴女の言う「善」とは一体何なのかしら?
 私達は神の理に挑む魔術師であると言うのに」
「......っ」

 私は、偽ミルに言われた言葉に返事ができなかった。
 なんとなく憎まれ口を叩いたところを哲学的な返事が来て戸惑ったというのもあるが、そもそも『善について』なんて考えたことがなかったからだ。
 しかしまあ、面白い考え方だ。私はファリスの信徒ではない(そもそも神に興味が無い)ため、すぐに答えが出るわけでもないが。
 いずれじっくり考えてみるのも悪くないな。


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 なんて、あの時の事を思い返しつつ。
「ま、今後とも宜しくって事で」
「もちろん、オッケーだぜ。
 何か困ったことがあったら声かけてくれよな!
 ただもう間違えて捕まえたりしないでくれよ?
 絶対捕まるようなことはしたりしないからさ」
「よろしく頼まれた。また依頼があれば承ろう......場合によってな」

 詰め所に戻ってきた私達は、衛視長その2の言葉と報酬を受け取る。
 うむうむ、素晴らしい。冒険者とはこうでなくてはいけないな。
 勉強も楽しいが、たまには身体を動かすのも悪く無い。

 などと考えながら詰め所を出るところで、衛視長に呼び止められた。
「その...あの...何だ」
「...今回は誤認逮捕をしてしまい、すまなかった。
 本当に悪い事をしたと思っている...心からお詫びする」
 なんだ、そんなことか。
「さっきも言ったけど、もう同じことはやめてくれよな。
 そうしてくれたら、オレからはあんたに特に言うことはないさ」
「何、気にするな。あれだけ美しい犯人であれば私と間違えるのも無理なきことだ。
 あれなら私の故郷の者でさえ間違いかねないだろう」

 衛視長の言葉に、ブランに続けて返答する。
 捕えられたのは確かに酷い体験であったが、故郷では到底味わえないという意味では中々面白かった。
 間違えるのも無理なき相手だ、そう目くじらを立てることはない。
「これからはこう言う事を起こさないよう気をつけるつもりだ。
 スラム街の巡回も、これまで以上に力を入れて行こうと思っている...
 もう、あんな思いをするのは真っ平御免だからな」
「それに...私自身も強くならねば。
 何時、あの女が再び現れるとも限らんしな」
「うむ、頑張れ。いやまあ私も頑張るが、特にお前たちはこの街を守る者だからな。
 つぎ奴が現れた時は、一刀両断唐竹割りに出来るくらい強くなるがいい!」

 例によってブランの言は聞き流す。
 というかこいつ、あの女にも声をかけるつもりなのか......?

 と、衛視長の様子がおかしい。
 顔は赤いし、動きがぎこちない。はて、どうしたのだろうか。
「で、その、何だ...お詫びと言っては何だが...」
 ふむふむ、詫びか。殊勝な心がけだ。
「今度の週末が休暇なのだ。良ければ一緒に昼食でも、どうだろう」
「...ブラン殿も、宜しければ一緒に」
 ほほう、ランチの誘いというやつか。悪くないな。
 私とブラン、誤認逮捕組に対しての謝罪というならば受けてやるのが義理という奴だな。
「今度の週末ねえ...
 残念だけど、もうオレ女の子とその日予定入っちゃってるんだよね。
 まあせっかくだしアイナティートは行ってきたら?オレの分まで奢ってもらってくれよな」
「む、そうなのか。であれば私と......くくっ、ダーリンだけだな。
 ふっふっふ、楽しみにしているぞ。良い店を見繕っておくことだな!」

 なんて、からかい混じりの返答をする。私の耳は楽しそうに動いていることだろう。
 くくく、奴がどんな店を見つけてくるか楽しみだ。衛視なら街にも詳しいだろうしな。


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 そんな事があった後。
 私はひとり詰め所からの帰り道、あることに思い当たってしまった。

「......むう?そういえば、これはアレか?
 所謂、その、デ、デートという奴なのだろうか......!?
 ????っ!ち、違う、違うぞ!ダーリンなんてそんな意味で言ったわけでは......!」

 そしてひとり悶えた。ぐぬぬ、何か妙に気恥ずかしいではないか!おのれ衛視長アイザック!
 いいや、まだだ。まだ私の自意識過剰であるという可能性が残っている!そう、奴が顔を赤くして頼んできたアレは只の昼食の誘い......なんて可能性は低いわ!
 と、とりあえず。そういった場で失礼にならんような服装とかマナーとかエチケットとか、えっと、そう、ミルとかアシュレイとかルルシアとか、ちょうど知り合った連中にでもに聞いて......。
 う、うむ!そうと決まれば話は早い!全速力でミノ亭に向かう!

 ......辿り着いた頃には疲労困憊していたのは、言うまでもない。俊足だからってスタミナがあると思うなよ!


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 で、色々バタバタしながら過ごしたある日のこと。
 私を取り乱させた原因こと衛視長がミノ亭にやってきた。
 ふ、既に私はあらゆる準備を済ませたぞ。週末だろうが終末だろうがどんと来いだ。
 何やらチラチラとこちらを見る衛視長に、余裕の表情を見せつける。気づかんとでも思ったか!
 ......慌ただしく動こうとしてる耳を押さえつつ、だが。ええい、私の身体なんだから勝手に動くな。

 とまれ、衛視長の言うところによると件の女はファンドリアに関係しているとか。
 ファンドリア......よく知らんが確かファラリスの国だったような?魔神を召喚したのもその辺りかもしれんな。

 まあ、成るように成るだろう。
 ......目下の懸念は、週末だ。


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PL:配管
なげえ!

ネタ振りされたら応えるのが心意気(迫真)
よってアイナティートが無駄にヒロイン属性な言動をするのも無理なき事......!
書いてて死にそうになったので、微妙にツンデレて誤魔化したり。
み、皆がアイナをツンデレツンデレ言うのが悪いんや!俺は悪くねぇ!

という訳で一応〆です。皆様お疲れ様でした!

>GM@テッピンさん
 誤認逮捕ルート、面白かったです。希望が通って嬉しかったですし、シナリオ自体もドキドキしながらやってました。
 しかしおかしいな、どうしてアイナはツンデレてしまったんだろうか。
 これはアレだ、GMの陰謀ですね!
 それはともかく、レベル差大きいPC達を捌く手腕に感嘆!
>ミル@いあさん
 やめてぇー!デートネタはアイナさんが悶絶しちゃう!
 もとい、ヴェンさん共々、脱出戦格好良かったです!
 割とのんびりやってた(気がする)自分との緊張感の違いに慄いてたり......w
>ヴェン@シモンさん
 やだ......この人カッコイイ......!
 素直にカッコイイ系のRPが新鮮でした。
 そして遺跡でのアクション映画の如き戦いっぷりが素敵!
>パック@パタパタさん
 独特な(失礼)キャラクター性にびっくりしました。
 普段はおちゃらけつつ、ここぞという時にはしっかりキメる。
 自分はどうもシリアスしてるとコメディ欠乏症にかかるので、きちっとシリアスでキメれるのには感服です。
>アシュレイ@ゴーストさん
 この人怖い!
 げふんげふん、魔術師の暗黒面的な面が強いRPが怖面白かったですw
 アイナにはとても出来そうもないロール、新鮮な......。
>ルルシア@針葉樹さん
 これは......癒やし!
 アクの強い(失礼)PCたちの中で、このいい人っぷり。素敵です。
 あ、いや、皆いい人ですよ?ええ。
>ブラン@あんみつさん
 前回に続き二度目のご一緒となりました!
 いやあ、相変わらずの女好きっぷりで素晴らしいです。
 今回は男性との行動が多かったですけれど、シーフギルドでの大枚はたいた交渉などは見てて爽快でした。

■シナリオ評価
 シナリオ評価は10点です。満点で!
■報酬
 経験点1600点
 報酬金1200ガメル
 衛視長ロバート、アイザックとのコネ(要GM確認)

 しっかり頂きました!