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後日談:鎧

ヴェン [2013/09/14 23:27]

> ヴェンは、たまたま通りがかった武具屋で、或る甲冑に目が止まる。

それは傷だらけではあるが、艶消しした黒を基調としたプレートアーマーであった。
しばらく、店頭でしばらく眺める。

駆け出しの冒険者だった頃の最初の目的が、鎧を身にまとうことであった。

もはや、俺を駆け出しの冒険者という奴はいないだろう。
こんな鎧を身につけることができればセクトールにだって遅れを取ることもないだろう。

> 「ああ、その鎧はですねえ、誰も着られないので処置に困ってたんですよ」
> 求めた訳でも無いのに店主が説明をしてくれた。

不意に声を掛けられる。
店主のようだ。

「主(あるじ)、これを試着できねぇか?」

〉 「え?まさか、旦那、着てみるんですか!?」
「そうだ。試着させてもらうぜ」

〉 店主の心配を他所に身に着けてみる。
〉 多少の調整と、革や布の部分の補修は必要だろうが、
〉 驚くべき事に、体格はほぼ合致していた。

(おいおい、この鎧が俺との出会いを求めていたと言わんばかりだろ!)

〉 「まさか、この鎧を着られる人物が居るなんて!」
〉 店主は驚きを隠さない。
〉 「曰くは有る品なんですよ。何でも、レイド帝国の騎士の物だったとか」
〉 店主の言を肯定するかの如く、鎧にはレイド騎士団の紋章が刻まれていた。

なるほど、市中に回っていても売れなかった理由はサイズだけじゃなかったようだ。
亡国レイドの騎士のモノを着込んで、ロマールへ行こうものなら、面倒なことになるからな。


(俺の家系を遡っても農夫でしかない。
 しかし、これを持つことで、却って箔が付くってもんだ。)
血筋への劣等感が購入へと誘う。

〉 「正直、縁起は余りよくないですねえ。
〉  それでも買って頂けるなら、有り難い事この上無いのですが!」
〉 この店主、商売は余り上手くは無さそうだ。

「おい、主。その物言いで高いってことはねぇーよな?」と大声で店主を背を叩きながら値踏みを始める。
 
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PL:シモンより

素晴らしい鎧、ありがとうございます。
おお、やっと鎧を入手することができました。 
最初の布の鎧から皮の鎧と来て、一気に最高品質の鉄の鎧。
これでどんな攻撃も打ち消せそうです。

3700ガメルを支払って購入させて頂きます。